本日スタートのTBS系ドラマ『A LIFE~愛しき人~』(毎週日曜21:00~)で主演を務める俳優・木村拓哉の役作りエピソードが、15日14時から放送された密着ドキュメンタリー番組(同局系)で明らかになった。

『A LIFE~愛しき人~』に出演する竹内結子(左)と松山ケンイチ

さまざまな感情と思惑が渦巻く病院で、木村演じる職人外科医・沖田一光が不器用ながらも患者と一途に向き合っていくヒューマンラブストーリー『A LIFE~愛しき人~』。今回のドキュメンタリー番組は撮影現場での木村を追い、現場での振る舞いや言動から、俳優として本作に挑む姿を浮かび上がらせた。

番組冒頭、初の医者役に挑む木村は、事前に準備をしたのか聞かれると、「準備はそんな特にないです」とあっさり。「自分一人で乗り越えるものではなくて、あくまでも本当に共同作業でみんなで乗り越えたいなと思っています」と引き締まった表情で意気込みを語った。

この時、木村がついた1つの"嘘"に気づかなかったという取材スタッフ。その"嘘"が顕著に表れたのが、外科医が組織の縫合の際などに用いる"多重結び"を完璧にマスターしていたということ。監修の現役医師も舌を巻く腕前で、現場では小児外科医・壇上深冬を演じる竹内結子の指導役を買って出ていた。

心臓血管外科医の井川颯太を演じる松山ケンイチは、そんな木村の陰の努力に驚いた一人。「何カ月前から多重結びやられてるんですか。ずーっとやってますよね? それ聞いてるんで、焦ってるんですよ」と吐露し、「『多重結びキット』はどうやって手に入れたんですか?」と質問。木村は「自分から医学界に思いっきりグーって入って行って手に入れた」と笑いながら明かした。

また、両手での処置を余儀なくされた沖田が左手で縫合するシーンも完璧にやり遂げる。右利きの木村にとっては無謀な挑戦だったが、左手縫合を提案した監修医師は「あの技術をあそこまで習得されてるのは、ものすごい練習したんじゃないかなと容易に想像つきますし、実際に左手で縫うなんていうのは誰もやってないこと。あそこまでスムーズにやられているのは、本当にすごいこと」と驚く。

木村は「何を準備というかは人それぞれだと思う」と前置きし、「左手でいろんなことやっといて良かったと思いました。飯は大体、左手で食ったりとかしてますね。ペン回しとかやってみたり。イラストを描いてみたり。要は左手を使うスイッチの電源を入れといたくらいですね」と語っていた。

そのほか、手術着の着方や、手袋のはめ方などの細かな所作は外科医そのもので、撮影を終えて手袋を引っ張りながら飛ばす仕草は熟練の外科医もよくやるという細かすぎる再現も。『A LIFE~愛しき人~』では、このような木村の"嘘"を見つけていくのも、見どころの1つだ。