NHK出版はこのほど、『がんで死ぬ県、死なない県』(松田智大・著 / 740円・税別)を発売した。同書では、都道府県によってなりやすい部位が異なること、死亡率にも大きな違いがあることを明らかにしている。

『がんで死ぬ県、死なない県』(松田智大・著 / 740円・税別)

同書によると、遺伝性のがんは全体の5%に過ぎず、ほとんどのがんは生活習慣に起因するものなのであるという。そのため、県民性によって「かかりやすいがん」が異なるとのこと。

都道府県別に見た、がんの「亡くなりやすさ」(男性、全部位 / 数値は全国値を100としたもの)

乳がん(女性)の「かかりやすさ」を見ると、1位は東京都(10万人あたりのり患者100.8人)、2位は福岡県(同85.6人)、3位は愛媛県(同85.5人)、4位は広島県(同83.8人)、5位は三重県(同83.6人)だった。

一方、乳がん(女性)にかかりにくい県のランキングでは、1位は鹿児島県(同48.8人)、2位は福井県(同62.9人)、3位は山口県(同63.6人)、4位は千葉県(同63.7人)、5位は大分県(同67.1人)となっている。

胃がん(男性) の「かかりやすさ」を見ると、1位は秋田県(同119.6人)、2位は新潟県(同109.0人)、3位は山形県(同106.2人)、4位は石川県(同98.2人)、5位は富山県(同96.6人)と、東北(とくに日本海側)で多い。

胃がん(男性)の「かかりにくさ」では、1位は沖縄県(同38.3人)、2位は鹿児島県(同52.1人)、3位は熊本県(同57.1人)、4位は神奈川県(同58.2人)、5位は千葉県(同59.1人)だった。かかりにくい県の上位3位は、沖縄・九州地方の県が占めている。

また、同書では地域によって「がんになった後で助かるかどうか(死亡率)」も違うことを明らかにしている。がんでの死亡率(男性)が高い都道府県を見ると、1位は青森県(10万人あたり死亡者205.7人)、2位は佐賀県(同194.6人)、3位は大阪府(同192.9人)、4位は北海道(同192.8人)、5位は秋田県(同192.7人)だった。一方、がんでの死亡率(男性)が低い都道府県では、1位は長野県(150.5人)、2位は滋賀県(151.4人)、3位は福井県(154.3人)、4位は岐阜県(162.5人)、5位は三重県(162.8人)だった。

これらの結果から、全国で最も死亡率が高い青森県は、「かかりやすさ」の数値はそれほど悪くないが、命を落としてしまう確率が高いことがわかった。一方で、長野県は「かかりやすさ」では青森県よりも悪い数値にもかかわらず、死亡率は全国で最も低くなっている。「都市部は病院が多く"名医"も多いから、死亡率は低い」という考えを持つ人も少なくないと思われるが、都市部である大阪府は、男女とも全国ワースト3の死亡率になっている。

なお同書では、国立がん研究センターが「科学的に効果がある」と認めるがん予防法を紹介している。「受動喫煙でも肺がんリスクは確実に上昇」「コーヒーは肝がんを抑える働きを持つ」「熱い飲食物の摂取は食道がんのリスクを高める」などは、科学的に認められているという。