総務省から事業者へ、SIMロック解除の期間短縮や実質0円販売の規制強化

総務省は1月10日、「モバイルサービスの提供条件・端末に関するガイドラインについての意見募集の結果」を公表。さらに結果を踏まえて、「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」を策定し、「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」を改正した。主要な内容をまとめるが、全貌は総務省のWebサイトを参照いただきたい。

総務省のWebサイトから

一連の取り組みには、大手キャリアとMVNOの競争を促すことで、最終的に消費者が安心安価に通信インフラを利用でき、キャリアや端末メーカーが適正な収益を得られるようにする目的がある。SIMロック解除(SIMフリー化)は、そのための大きな柱のひとつ言えるもの。加えて、煩雑な料金プラン、キャッシュバック制度、実質0円での端末販売といった商慣行の是正も求める内容になっている。

「モバイルサービスの提供条件・端末に関するガイドラインについての意見募集の結果」は、2016年11月19日~12月19日の1カ月間に実施された意見募集に対し、寄せられた意見とそれに対する総務省の見解の両方をまとめたものだ。PDFで128ページに及ぶ内容で、提出意見数は延べ131件となっている。

意見を提出しているのは、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3キャリアだけでなく、MVNOの携帯電話サービス「mineo」を展開するケイ・オプティコム、中古モバイル端末のリユース事業などを手がける日本テレホン、一般社団法人の全国携帯電話販売代理店協会(NAMD)やテレコムサービス協会(TELESA)、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、さらに多数の個人ユーザーも含む。それらの意見に対しt、総務省が見解を付与している。

例えば、「利用者からのSIMロック解除の要望は多くない」、ゆえに「運用変更やシステム変更に伴うコスト増、販売現場における混乱等は最小化すべきであり、今回の見直し範囲は極力限定的にすべき」というソフトバンクの意見に、総務省は「本ガイドライン案では、SIMロックについて、債権保全の必要等から、端末の割賦代金の不払等の不適切な行為の防止のための必要最小限の措置として許容しており、今回の見直しは、必要最小限の措置の考え方を明確化するものである」とはねつけ、強い姿勢を見せている。

立場の異なる様々な意見が見られ、個人ユーザーの意見には特定キャリアの誹謗に近いものや、総務省は民間の事業に介入するなといった声もあってなかなか興味深い。

「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」は、これらの意見を踏まえて作成されたものだ。「SIMロック解除の円滑な実施に関するガイドライン」と、「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」という2本のガイドライン内容を改正し、統合している。

総務省の資料から

SIMロック解除の円滑な実施に関するガイドライン

「SIMロック解除の円滑な実施に関するガイドライン」は、大きく以下の3つについての改正だ。

(1) 端末購入からSIMロック解除が可能となるまでの期間の短縮
(2) 解約時に原則SIMロック解除(の条件・手続きを説明)
(3) MVNO向けのSIMロックの廃止

(1)は従来、購入から6カ月程度経過した後でないとSIMロックの解除手続きができなかったが、この期間の短縮を指示するもの。割賦払いの場合は100日程度以下、一括払いの場合は当該支払いを確認できるまでの期間。従来の6カ月(約180日)よりも、80日程度短い期間でSIMロック解除可能にするよう求めている。

割賦払いに関しては2017年8月1日から、一括払いに関しては2017年12月1日からの適用。ただし、割賦払いについては、やむを得ない事情がある場合は、3カ月を超えない期間に限って猶予を持たせるものとなっている。

ちなみに一括払いに関しての付記は、先述の「モバイルサービスの提供条件・端末に関するガイドラインについての意見募集の結果」に寄せられた意見の中で、KDDIがシステム開発の規模が大きいため、2017年12月1日は間に合わず、2018年2月となる可能性があると考慮を求めており、総務省がそれに応えたものになっている。

(2)の解約時のSIMロックの解除については、2017年5月1日から適用。(3)のMVNO向けSIMロックの廃止については、2017年8月1日以降の適用とされている。

スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン

一方、「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」は、大きく以下の3点についての改正となる。

(1) フィーチャーフォン(3G)からスマートフォン(LTE)への事業者間での移行促進(自社内の移行と同等に)
(2) 通信契約奨励金の臨時増額(1カ月未満の期間限定)による実質的な端末購入補助の適正化
(3) 端末購入者に求める合理的な額の負担の明確化(2年前の同型機種の下取り価格以上)

(1)と(2)は2017年2月1日から、(3)は2017年6月1日以降新たに発売される端末について適用だ。

平たく言うと、(1)はキャリアの移行がもっとスムーズに行えるよう求めるもの。(2)と(3)はユーザーが端末を購入したり、利用する際に掛かる費用をもっと透明化して分かりやすくするようにというお達しである。

少し具体的に説明すると、(2)は、通信回線を契約することで1カ月未満だけ奨励金が増えるケースを規制している。

(3)は、後半の「2年前の同型機種の下取り価格以上」が分かりにくいが、これは旧機種を下取りする際は、新機種の販売価格と旧機種の下取り価格を近づけて、実質0円で販売することがないようにとの指示だ。

このほか、電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドラインも改正。2017年2月1日以降、利用者が利用実態等に対応した料金プランを選択できるよう、事業者・代理店からの適切な説明をルール化するとしている。

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