大正製薬はこのほど、「セルフメディケーション税制に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2015年12月、有効回答は443人。

セルフメディケーション税制とは

「セルフメディケーション」とは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当をすること。

セルフメディケーション税制では、2017年1月から当面5年間、市販薬のうち医療用で使われていた82成分を含む医薬品の購入金額に応じて、確定申告を行うと、所得税が一部還付、翌年の個人住民税が減税される。対象商品は1,555品目(2016年12月16日現在)で、2017年から「セルフメディケーション税制対象商品マーク」が付けられた商品が順次店頭に並ぶ予定となっている。

控除対象となる購入額は年間1万2,000円~10万円。例えば、課税所得400万円の世帯で年間10万円分の対象商品を購入した場合、10万円-1万2,000円=8万8,000円が控除対象となる。所得税率20%分の1万7,600円が還付され、さらに個人住民税10%分の8,800円が減税されるため、計2万6,400円分が浮くことになる。

控除・還付例(大正製薬プレスリリースより)

なお、同制度はセルフメディケーションの推進を目的としているため、控除を申請する際はレシート等証明書類が必要なほか、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診のいずれか一つを受けることが条件となる。

また、購入した対象製品の合計が1万2,000円を超え、医者にかかった金額と合わせて10万円を超えた場合は、セルフメディケーション税制か現行の医療費控除どちらか一方の控除しか受けることができない。

制度の認知度は2割未満

今回、大正製薬の調査で同制度を知っているか尋ねたところ、58.0%が「名前も内容も知らない」、26.2%が「聞いたことがあるが内容までは知らない」と回答。内容まで理解している人は15.8%にとどまった。

税対象となる制度(セルフメディケーション税制)が始まりますが、あなたはこの制度を知っていますか?(大正製薬プレスリリースより)

同制度を利用したいと考えている人は87.4%。もし5,000円戻ってきたとしたら、「生活費に充てる」と答えた人が51.8%と最も多く、次いで「趣味やレジャーに充てる」が19.9%、「貯金する」が18.7%と続いた。

戻ってくる金額が2万円に増えた場合は、「貯金する」が32.3%で1位にランクアップ。5,000円で1位だった「生活費に充てる」は30.4%に減少したものの、「趣味やレジャーに充てる」は30.0%に増加した。