SF映画の金字塔と言われるリドリー・スコット監督の『ブレードランナー』(1982年)の続編『ブレードランナー 2049』(2017年11月公開)で、新旧"ブレードランナー"の2ショット写真が10日、公開された。

ライアン・ゴズリング(左)とハリソン・フォードの新旧"ブレードランナー"の2ショット

『ブレードランナー 2049』の舞台は、オリジナル作品の舞台である2019年から30年後の2049年の世界。前作では、人間とは見分けのつかない"レプリカント"の暴挙を阻止する捜査官"ブレードランナー"リック・デッカードをハリソン・フォードが演じていたが、今回新たにライアン・ゴズリングが演じる男が新人ブレードランナー"K"ということが判明した。そして、30年後の世界には新たな危機が迫っており、物語は"K"が30年間行方不明だったデッカードを探すところからスタートするという。

公開された2ショット写真は、堂々とブレードランナーとしてハリソン・フォードと肩を並べているライアン・ゴズリング。しかし、「ハリソン・フォードは自分のヒーローだ」と話すほど大ファンの彼は、初めてハリソンを目の当たりにした時は相当緊張したそうで、「ちょうどセットが独特の雰囲気の霧に包まれていた時に、どこからともなくハリソンが現れたんだ。シルエットだけでも間違えようがなかったよ。僕は彼を満足させる物を創り上げられることを心から願った」と撮影時を振り返る。

本作で監督を務めるのは、『プリズナーズ』『ボーダーライン』などで独特の映像美と世界観が高く評価され、昨年11月に全米で公開された新作『メッセージ』が賞レースでも続々とノミネートを果たしているドゥニ・ヴィルヌーヴ。撮影期間中にハリソン・フォード、リドリー・スコットと一緒に食事に出掛けたという監督は、「デッカードがレプリカントであるべきか、人間であるべきかという論争で、ハリソンとリドリーから集中攻撃を受けたんだ。オリジナルの大ファンとしてはこの夕食の席は一生の思い出になったよ(笑)」とファン胸熱のエピソードを明かした。

この論争については、オリジナルが公開されてから34年間、リドリー・スコット監督(本作では製作総指揮)は「デッカードはレプリカントである」、ハリソン・フォードは「レプリカントではない」と主張し、ファンの間でも長きにわたって論争を巻き起こしてきたが、続編でその答えが明らかになるのか。ハリソンは「これについては自分自身を喜んで検閲するよ。オリジナル版を撮影していた時から興味深い問題だったし、その時にその答えは得られていないからね。ただ『2049』は十分に入場料に値するということは言えるよ(笑)」と意味深なコメントをしている。