カシオ計算機は5日、「Smart Outdoor Watch WSD-F10」に続く第2弾として、OSにAndroid Wear 2.0を採用し、GPSを内蔵したリストデバイス「WSD-F20」を発表した。オレンジとブラックの2色を用意し、4月21日の発売予定、税別価格は51,000円だ。

Smart Outdoor Watch WSD-F20

オレンジ

ブラック

WSD-F20は、米国ラスベガスで開催の「CES 2017」で披露された、いわゆるスマートウオッチ。CES 2017に続き、日本でも正式に発表となった。従来モデルのWSD-F10は独立したシリーズだったが、新モデルのWSD-F20は、カシオのアウトドアウオッチブランド「PRO TREK」に属する。PRO TREKの新シリーズとして「PRO TREK Smart」を新設し、最初のモデルに位置付けられた。

WSD-F20の実機。裏ぶたには「PRO TREK Smart」の刻印

本体デザインもPRO TREK的となり、流線型の印象だったWSD-F10と比較して、凹凸とシャープさをうまく使った少々「ゴツい」雰囲気だ。ただし本質はWSD-F10と同様に、「アウトドア」にフォーカスした機能と性能、使い方提案が大きな特徴となる。また、WSD-F10はGPSを持たないことが不評だったが(スマホと連携してスマホ側のGPSを利用)、WSD-F20はGPSを内蔵し、みちびきとGLONASSもサポートする。対応スマートフォン(OS)は、Android 4.3以上、iOS 9以上だ。

WSD-F10とWSD-F20を並べてみた。各写真の左側がWSD-F10、右側がWSD-F20だ

主要なスペックは記事末にまとめたが、WSD-F10からの大きな進化点は、WSD-F20単独で使えるオフライン地図アプリを新たに搭載したこと。Mapbox社の地図データを採用し、外出時の行き先エリアを、スマートフォンからWSD-F20へと事前にダウンロードしておく。これにより、現地でスマートフォンと連携させなくても、WSD-F20だけで位置情報と地図を利用できる。

オフライン地図を利用した「ロケーションメモリー」アプリは、行動中にすばやく呼び出して、現在地を確認するものだ。軌跡の記録や、行動中に気になったポイント(きれいな景色など)も残しておける。マーキングには音声入力も可能だ。入力した音声をテキストに変換し、地図上にマークを付ける。

地図にプロットしたマーク

多彩なマークを用意

地図デザインも豊富

位置情報コミュニケーションアプリ「CASIO MOMENT LINK」では、仲間の位置と顔写真をWSD-F20の地図上に表示したり、テキストメッセージのやりとりが可能。WSD-F20のユーザー同士という条件はあるが、現地で知り合った人とも気軽にパーティーを組める。個人情報は伝達されないので、1日の終わりにパーティーを解散したあとは、個人や居場所が特定されるような情報は残らない。なお、これらの機能を利用するには、Androidスマートフォンとの連携(iOS端末は未対応)、電波の圏内であること、GPS位置情報が取得できることが必要だ。

「CASIO MOMENT LINK」アプリ

想定するアウトドア・アクティビティとしては、WSD-F10のトレッキング、サイクリング、フィッシングを継承しつつ、新たにウィンタースポーツとウォータースポーツ(主にパドル系)が加わった。オリジナルウオッチフェイスも増え、時計画面に地図と自分の位置を示す「ロケーション」と、WSD-F20の機能を呼び出しやすい「トラベラー」が特徴的だ。トラベラーはタップごとに起動アプリ(機能)を切り替えられ、日付、高度、コンパス、気圧、地図、ワールドタイム、予定(Googleカレンダー)、翻訳というようにローテーションする。

ロケーション

トラベラー

WSD-F10と同じく、カシオのデジタルカメラ「EXILIM Outdoor Recorder」シリーズ(EX-FR100/FR200/FR11H)とも連携。WSD-F20の画面をタップしてカメラのシャッターを切ったり、撮影した写真をWSD-F20で表示したりできる。

WSD-F20の画面例(クリックで拡大

今回のWSD-F20には、「WSD-F20内でなるべく完結」というコンセプトがあるという。オフライン地図をはじめ、アクティビティ向けの各種設定を行う「MOMENT SETTER」アプリの一部機能もWSD-F20に内蔵した。WSD-F10は、Androidスマートフォンと連携させないと使えない機能が多かったが、WSD-F20はiPhoneでも大半の機能を利用できる。また、WSD-F10の税別価格70,000円が、WSD-F20では税別51,000円になったのも大きなポイントだ。

  • 防水性能 : 5気圧(カシオの独自試験による)
  • 耐環境性能 : MIL-STD-810G(米国防総省が制定した米軍の物資調達規格)
  • ディスプレイ : 1.32インチ 2層構造、カラーTFT液晶+モノクロ液晶(320×300ピクセル)
  • タッチパネル : 静電容量式タッチパネル(防汚コーティング対応)
  • GPS : 搭載(GLONASS、みちびき対応)
  • カラー地図機能 : 搭載(オフライン対応)
  • センサー : 圧力(気圧/高度)センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、方位(磁気)センサー
  • マイクロフォン : 搭載
  • バイブレーター : 搭載
  • 無線 : Bluetooth 4.1 (Low Energy 対応)
  • Wi-Fi (IEEE802.11 b/g/n)
  • ボタン : TOOLボタン、電源ボタン、APPボタン
  • バッテリー : リチウムイオン電池
  • 充電方式 : マグネット圧着式充電端子
  • 充電時間 : 常温で約2時間
  • 電池寿命 : 通常使用:約1日以上(使用環境によって変動)
  • 時計のみ(タイムピースモード):約1ヶ月以上(使用環境によって変動)
  • 本体サイズ : 約61.7×57.7×15.3mm(ボディ部分の縦×横×厚さ)
  • 質量 : 約92g (バンド含む)
  • OS : Android Wear 2.0

(C)Mapbox (C)OpenStreetMap