赤身肉は亜鉛を含むという理由から男性が食べるとよいとされている

「体に良い」と言われる食材は世の中に数多くある。男性と女性では体のつくりが異なるため、推奨される栄養素やその必要量も異なるわけだが、「健康のために男性が食べるべき食材」と問われると何が思い浮かぶだろうか。

海外のさまざまなニュースを紹介する「MailOnline」にこのほど、「栄養士が推奨する男性が摂取すべき食べ物」に関するコラムが掲載されたのでその内容を紹介する。

中食や外食が増えても、少し注意するだけで「健康によい食事」をすることは可能だ。ロンドンの栄養士、ロブ・ホブソン氏は、以下の食材が男性にとってお勧めとしている。外食が多いサラリーマンや独身男性はぜひとも参考にしてほしい。

主に青魚を用いた寿司

サーモンやまぐろ、サバ、マス、イワシなど脂質の多い魚にはオメガ3脂肪酸が含まれている。オメガ3脂肪酸によって善玉コレステロール(HDL)が増え、体内の炎症を軽減するのに役立つ「プロスタグランジン」が生成されることで、心臓疾患リスクが減るという。オメガ3脂肪酸やビタミンDはうつ病にも効果があるとされている。毎週1~2回、グリルしたこれらの魚の切り身などを食べるとよい。

トマト

トマトのような赤色野菜にはリコピンが豊富に含まれている。また、トマトは体内でさまざまな疾病を引き起こすフリーラジカルから体を守る抗酸化物質としての役割を果たす。赤色の野菜や果物など、さまざまな色の食材を食べるように。

赤インゲン豆

赤インゲン豆には繊維が豊富に含まれており、心臓疾患や糖尿病、高コレステロールのリスク低減に役立つ。満腹感もあってダイエットに役立つメリットもあるため、サラダやスープ、シチューなどから豆を毎日摂取するといいだろう。

ブラジルナッツ

ナッツ類には心臓によい脂肪やビタミンE、ビタミンB、マグネシウムなどが豊富に含まれており、心臓疾患のリスク低減に役立つ。特にブラジルナッツに多く含まれるセレンは、精子内のたんぱく質を作り、血中濃度にも関連している。

そのため、スナックかヨーグルトのトッピングとしてナッツ類(特にブラジルナッツ)を毎日食べるよう、推奨されている。

赤身のステーキ

ステーキを食べると毎日の推奨亜鉛摂取量を確保できる。亜鉛は、免疫系や創傷治癒および細胞増殖など、体のさまざまな機能に貢献している。前立腺の健全性にも関与しており、前立腺肥大の成長を抑制することを示唆する研究もあるという。赤身肉は非常に栄養価が高いが、大腸がんリスクのことを鑑み、摂取量は1週間に500g以下にするように。

貝や甲殻類

薄毛に悩む男性も多いだろうが、抜け毛や脱毛は遺伝と関連している要素もあり、食事で改善を図るのは難しい部分もある。ただ、亜鉛と鉄の摂取量の少なさが抜け毛には関係あるため、これらのミネラルを摂取することは髪によいと考えられる。クルマエビや牡蠣にも上記で紹介した亜鉛が豊富に含まれているため、サラダやシチュー、フライ、リゾットなどで食べるようにしたい。ただし、冬の時期は牡蠣のノロウイルスには注意したい。


卵はまさに「栄養の宝庫」と呼べ、必須ビタミンやミネラルはすべて含まれている。朝食で卵を食べると一日の食事量が減り、ダイエットによいという研究成果もある。「卵の食べすぎはよくない」という従来の概念は間違っており、卵はコレステロールにほとんど影響を与えないので、週に何個食べてもよいという。朝食が最もお勧めだが、いつ食べてもよい。

今後、居酒屋やファミリーレストランなどで食事をする機会があったら、今回紹介した食材を含むメニューを意図的にチョイスするのもいいだろう。だからといって、ステーキや卵ばかりを食べるのはNG。一日3食の食事機会の中で、栄養バランスに優れた食事をすることが最も大切なのは忘れないようにしたい。

※写真と本文は関係ありません


記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。