ジュニパーネットワークスは同社のブログにおいて、2017年ITトレンド予測を発表した。セキュリティ編、クラウド/データセンター編、サービスプロバイダ編の3つの領域で予測している。

セキュリティ編

セキュリティ編では、IoTのセキュリティ管理のニーズが高まるほか、セキュリティ業界における協業が増加傾向になるという。また、自動化がセキュリティ担当者不足の対処に寄与するとしている。

IoTのセキュリティ管理のニーズの高まりについては、IoTのセキュリティを適切に一括管理できるような総合的なツールはほとんどないため、IoTが存続し、ユーザーの期待に応えるためには、テクノロジー企業がセキュリティを理解し、統合への可能性を開かなければならないとしている。

セキュリティ業界における協業増加については、セキュリティ業界が常に攻撃者の一歩先を行くためには、すべてのセキュリティ組織が、オープンな脅威インテリジェンスを共有する必要性があるとしている。

自動化については、1時間あたり数千にも及ぶセキュリティアラートの中から、脅威の重要度を確認するためには、セキュリティ・ソリューションに自動化が統合されることが重要だとした。

そのほか、大企業はセキュリティを強化しているため、中小企業がハッカーの標的となるケースが増える見通しだと警告している。

クラウド/データセンター編

クラウド/データセンター編では、機械学習機能を実装したコンピューティング・チップによって、クラウド・アプリケーションのインテリジェンスは急激に高まりつつあり、企業は、ますます強力になったこのインフラを競争に活用しようと乗り出し、組織の成功において、コンピューティングおよびネットワークのパフォーマンスはかつてないほど欠かせないものになるほか、今後数年のうちに、新しいソリューションの展開といった基本的なテクノロジー業務が自動化されるため、IT部門の摩擦は解消し、担当者は本当に取り掛かりたい仕事に時間を割けるようになるとしている。

サービスプロバイダ編

サービスプロバイダ編では、IoTデバイスを利用した攻撃(DDoSなど)の増加に伴い、将来の攻撃を防ぐために、エンドポイントまでを網羅した仮想セキュリティサービスをサービスプロバイダが構築するという流れになるほか、交通監視カメラやスマートグリッドなど都市インテリジェントの実現に向けて、公共セクターおよび民間セクターがより有意義なかたちで協力し、自動走行車が走るスマートな道路や、病院とユーティリティ企業の提携によって進化した患者治療を実現する上で必要な政策、インフラの整備、データの共有を進める必要があるとしている。そのため、2017年には、よりつながった未来の実現に向けて、テクノロジー企業だけでなく、多岐に及ぶセクターと協力関係を築くことを目指した組織の形成がより多く見られるとしている。

また、NFV(ネットワーク機能の仮想化)の早期導入の成功と、多くのサービスを完璧なパフォーマンスで提供するという継続的な課題により、事業者のエンドカスタマーはワンランク上の柔軟性を必要とし、異なるアプリケーションのニーズに合わせてクラウドベースのインフラをサポートするように調整されたBYOL(Bring Your Own License)や従量制モデルに向かうとしている。