WILLER EXPRESS JAPANと富士通交通・道路データサービス(FTRD)は、2016年10月から11月にかけてFTRDが提供する「道路パトロール支援サービス」(道路管理者向け製品)を試用し、高速バス「WILLER EXPRESS」で、バス路線の路面評価検証を行ったと発表した。

「道路パトロール支援サービス」は、スマートフォンを車両に搭載し、スマートフォン内蔵の加速度センサーにより自動的に道路の」凹凸や段差の情報(以下、「走行データ」)を収集して路面状態を診断するサービス。

ウィラーエクスプレスジャパンは、毎日運行する高速バス「WILLER EXPRESS」で走行データを収集し、利用者の乗り心地に影響する凸凹や段差地点を見える化した結果を、乗務員の運転技術向上や、利用者の安心・安全性の向上に活用することを企画検討している。

今回の路面評価検証は、検証期間中に同一車両・同一路線で計4回の走行データ収集を行い、「道路パトロール支援サービス」の地図データ上に登録した走行路線に対して100m単位の評価区間を設定し、振動レベルを5段階に分け各回の路面評価結果を比較した。その結果、走行車線の違いなどにより評価結果に大きな差異が発生した区間は、全体約4,000区間中で、100区間程度で、9割以上の区間において同等の路面評価ができていることを確認した。

検証概要(左図:検証車両、右図:検証機器)

また、減速帯など強い振動レベルで評価すべき地点を適切に評価できていることを確認した。

本取組みによる路面状態の見える化により、業務経験年数に関係なく各路線の走行注意地点を把握することが可能となることから、運行サービスの品質向上に対するIoT・プローブデータ活用による路面情報が有効であることを確認したという。

高速バスの走行データによる路面評価画面サンプル

今後は、走行データを収集する機器として、既に各車両へ導入している車載タブレットの有効活用と、路面評価結果の乗務員への効率的で効果的な情報共有の仕組みを検討していく予定。また、本取組みの成果を活かした高速路線バス事業者向けサービスを、新たなサービスとして提供していく予定だという。