ノークリサーチは12月28日、2016年度上期の国内PCサーバの出荷状況と2016年度の予測を発表した。これによると206年度上期出荷台数は対前年同期比90.5%の21万2895台、出荷金額は同93.5%の1407億円となり、シェアトップは25.2%のNECとなった。

国内PCサーバ市場推移(出荷台数ベース)

金額ベースでは、仮想化、集約化でHDD、SSDやメモリを多く搭載したサーバが増加し、平均単価が高まっている傾向は続いているため、台数市場と比較して落ち込みは低かった。サーバの形状別では、タワーサーバは7万4650台で前年同期比92.5%、ラックサーバが12万9745台の同94.6%、ブレードサーバは8500台の同48.8%といずれも減少し、特にブレードサーバは大幅減となった。

国内PCサーバの形状別構成比(出荷台数ベース)

シェアトップはNEC、富士通から奪還

2016年度上期シェアは、NECが2016年度上期は前年同期の24.4%から25.2%へ0.8ポイントを上げてトップの座を取り戻した。次いで、形状別ではタワー型サーバは30.4%から36.2%と5.8ポイント上げて首位、ラック型サーバは22.0%から19.4%と2.6ポイント下げ、ブレード型サーバは15.7%から17.4%と1.7ポイントのシェアアップとなった。

2位は富士通となり、昨年の24.8%から24.5%へと若干のシェアダウンとなり、トップをNECに明け渡す結果となった。形状別では、昨年31.7%でトップシェアであったタワーが33.3%とシェアアップしたが、NECを下回り、ラックは22.6%から20.4%と2.2ポイントのシェアダウン、ブレードは9.6%から9.9%と0.3ポイント上げた。

3位はHPで、シェアは18.0%。昨年の19.8%から1.8ポイント落としており、、ラックは22.2%と昨年の22.7%から0.5ポイントダウンしたが、トップシェアは維持している。ブレードは26.0%と昨年の25.5%から0.5ポイントのアップでラック同様にトップ、タワーのシェアは9.6%で3位に留まっている。

4位はデル。11.1%のシェアで昨年の10.5%から0.6ポイントのアップとなり、形状別ではラックが13.7%と昨年の12.3%から1.4ポイントのアップとなった。一方、タワーのシェアは7.4%と昨年の9.1%から1.7ポイント下がり、ブレードのシェアは3.5%。

5位は日立製作所となり、シェアは6.5%で昨年の6.3%からわずか0.2ポイントではあるがシェアアップした。6位はレノボで、シェアは4.5%と昨年の5.0%から0.5ポイントのシェアダウンとなった。形状別シェアでは、タワーが2.9%と昨年度の3.8%から0.9ポイントダウン、ラックが5.5%と昨年度の5.7%からダウン、ブレードは4.4%と昨年度の5.1%からのダウンとなった。

2016年上期PCサーバメーカーシェア

ビッグデータ、IoT、AI、FinTechなどに活路

2016年度通期の見通しは、前年度比93.0%の44万5995台と台数の減少傾向が続く。クラウドへの移行が進み、サーバ台数への影響も指摘されているが、従来のオンプレのシステムを維持しつつ、クラウドも採用するなどハイブリッドな活用が増加している。

そのため、一定規模のオンプレミス需要は引き続き安定的に存続していることから、サーバの台数がクラウド化で極端に減少するという状態になっていないという。

また、為替や株式市場などの外的な要因も不透明感は続いているものの、ビックデータ、IoT、AI、Fintechといった新たな潮流などにより、サーバの投資機運が高まりつつあることが期待されている。