12月22日(米国時間)、Threatpostに掲載された記事「Congressional Group Says Encryption Backdoors Are a Bad Idea |Threatpost|The first stop for security news」が、米国議会の暗号化ワーキンググループが提出した年末リポートにおいて、暗号化バックドアは利点よりも害をもたらす可能性があると報告していると伝えた。議会は米国における強力な暗号化技術の支援とともに、法執行機関や技術企業との協力関係を構築することを推奨している。

提出された報告書は法的拘束力を持つものでもないほか、この報告書をベースとしての立法案が提出されるという段階でもないとされている。「暗号化バックドアの設置に関して法的な拘束力を持たせる」または「特定機関に暗号化バックドアの使用を許可する権限を与える」といった法律を推進する向き、これに反対する向きもあり、今後議論が継続されるものと見られる。

今回の報告書では暗号化バックドアを設置し、第三者に悪用されることなく想定している運用を実現することは、不可能ではないが難しいだろうといったことを指摘する内容になっている。暗号化技術や使われている実装などに不備が見つかった場合、その穴を悪用して想定しているユーザー以外の第三者が秘密裏にデータにアクセスできることになってしまい、本来の目的を果たすことどころか、より悪い事態を招く可能性がある。