ルネサス エレクトロニクスは12月27日、車載用32ビットマイコン「RH850ファミリ」として、先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance Systems:ADAS)や自動運転車の主要センサである車載レーダに向けた新製品「RH850/V1Rシリーズ」を発表した。

同シリーズの第1弾となる「RH850/V1R-M」は中距離レーダ向け製品で、アクセラレータとしてDSPを搭載。これにより、FFTといったレーダに必須のアルゴリズム、ビームフォーミング、窓関数、チャネルキャリビュレーション、ピーク検出など高速かつ低消費電力で実行することが可能なほか。同社ではDSP用Mathライブラリも用意することで、ユーザーによるアルゴリズムの開発支援を行うとしている。

また、40nm混載フラッシュメモリプロセスを採用することで、320MHzの動作周波数を実現する2個のG3MHコア(3.2DMIPS/MHz)と2MBのフラッシュメモリを搭載したほか、将来、増加することが見込まれる受診アンテナ数とデータ量への対応を目的に、レーダ信号入力用高速シリアルインタフェースとしてMIPI-CSI2(3unit×4lane)と2MBのRAMを内蔵したとのことで、これによりFFT、デジタルビームフォーミング、CFAR、ピーク検出など特有のレーダ用3次元データの計算を可能とした。

なお、同製品のサンプル出荷ならびにDSPのライブラリの提供については、2017年下半期から開始する予定。このほか、C/C++コンパイラ、デバッガ、シミュレーションモデルや詳細なパフォーマンスプロファイリングツールなどのDSP用開発環境も提供していく予定だという。

ルネサスが新たに開発した車載レーダ向けマイコン「RH850/V1R-M」のパッケージイメージ