ストラタシス・ジャパンは22日、同社のPolyJet 3Dプリンターによる3Dプリント樹脂型「デジタルモールド」を活用した新製品「MINAMO(みなも)」がTRINUSより製品化されることを発表した。

「MINAMO」

樹脂金型により、これまで製造が難しかった複雑でなめらかな鏡面仕上げのステンレス製の器を実現

「MINAMO」は、水面の滑らかなゆらめきをコンピュータのシミュレーションにより再現し、鏡面仕上げのステンレス板を使って形にした器。同製品の製造にはストラタシスの造形材料を用いた3Dプリント樹脂のデジタルモールドアプリケーションが採用されている。

同製品は、技術を保有する日本国内の中小メーカーや、革新的なアイデアを持つデザイナーとコラボした商品開発事業を行うTRINUSのプラットフォーム内のプロジェクトとして実現したもの。デジタルモールドを活用したものづくりのプロセスをより効率的にするアプリケーション「デジタルモールド・プレス」のメリットを活かした製品デザインの公募において、2016年12月に最終的に採用された。このプロジェクトでは、ストラタシスと同社のソリューション・パートナーであるスワニーと中辻金型工業によってモールド制作がを実施、PolyJet 3DプリンターとデジタルABSマテリアルで造形が行われた。

デジタルモールドを金属プレスに採用することにより、従来の金属金型において成型時に起こるスプリングバックや金属同士の接触による傷などを回避するための工数や後処理を削減することができるほか、ユーザーは試作品や小ロットの成形品を低コストかつ短期間で、複雑なデザインを採用して実際の最終製品と同じ素材で作製することが可能になる。中辻金型工業の営業総括部長 戸屋加代氏は「(樹脂製の金型は)300ショット以上の成型にも十分に対応できるため、単なる試作品のみでなく小ロットの生産方法のひとつとして活用することができます」とも語った。