NTTアドバンステクノロジ ソフトエラー試験サービス紹介Webページ

NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は、宇宙線が大気に衝突することが原因で起こる電子機器の誤作動を、小型の加速器中性子源(中性子照射装置)を用いて再現する「ソフトエラー試験サービス」を12月19日より開始した。

半導体デバイスの高集積化・微細化の恩恵もあり、近年の電子機器の小型化・省電力化が進んでおり、デバイス内でのビット判定に必要な電荷が減少する傾向にある一方、宇宙線由来の中性子線の影響で発生する粒子の微少な電荷の影響を受けやすくなり、従来の電子機器よりも軽微なソフトエラーの発生確率が増加の傾向を示しているという。

NTTアドバンステクノロジが19日より提供を開始した「ソフトエラー試験サービス」は、開発・検証段階において、この宇宙からの影響を予測し、エラー処理などソフトエラーを前提とした対処を可能とするもので安定した動作や、より質の高い製品の提供などに寄与する。

エラーを再現するテクノロジーは、NTTと北海道大学の共同研究によって2013年確立され、今回、NTT、名古屋大学、住重試験検査(SHIEI)の三者共同で一般企業も導入可能な小型加速器中性子源でのエラー再現試験に成功、ソフトエラー試験のサービス化の技術も確立された。

ソフトエラー発生のメカニズム(同社資料より)

住重試験検査所有の小型加速器中性子源を用いたソフトエラー試験系(同社資料より)

ネットワークサービスイン後に発生した故障を再現するための試験イメージ(同社資料より)

提供されるサービスは、試験対象の電子機器に中性子発生試験装置より中性子を照射、電子機器に発生するエラーを判定する。これにより実環境におけるソフトエラーの耐力を測定できるほか、ネットワーク機器などの通信機器に原因を特定できない故障が発生した場合、本サービスを利用することで故障が宇宙線に由来するソフトエラーによるものかを判別できるようになる。

「ソフトエラー試験サービス」を利用する際のフロー(同社資料より)