TVアニメ『DIVE!!』キービジュアル

水泳の飛込競技に打ち込む少年たちの姿を描いた森絵都氏の青春小説『DIVE!!』が、TVアニメ化され2017年7月より放送スタートする。12月15日に都内で行われた「ノイタミナプロジェクト発表会2017」にて発表された。

このTVアニメ化は、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」の7月クール以降の新企画として発表。イベントには、主人公・坂井知季を演じる声優・梶裕貴、メガホンを取る鈴木薫監督、シリーズ構成を担当する待田堂子氏の3人が登壇し、作品への意気込みを語った。

鈴木監督は、「水泳競技と言えば、競泳をイメージする方が多く、飛び込みを見たことがない方も少なくないかと思うのですが」と前置きしながらも、「1.4秒という短い時間で空中で演技を見せる、美しく熱い競技が飛び込み。それを題材に据えた作品です」と説明。また、「キャラたちに加えて、もう一つの主人公は、水」とした上で、「水面の美しさやきらめきと一緒に、少年たちのまぶしさも表現したい」と強調した。

左から司会の吉田尚記アナウンサーと乃木坂46・松村沙友理、梶裕貴、鈴木薫監督、待田堂子氏

一方の待田氏は、原作を「熱血系の小説」と表現。そこで描かれている「魅力的なキャラクターの物語をドラマチックに描き、森先生の大切なお子さまを預かるような気持ちで作っていきたい」との思いを口にした。

梶は、自身が演じる知季について「小さい時に、もう1人の重要キャラである富士谷要一の飛び込みを見て衝撃を受けて、飛び込みの世界に入っていく人物」と説明。また、「原作小説でもモノローグがあるのですが、分かりやすい"ただ良い子"ではなく、中学生ならではの葛藤とか、汚かったり醜かったりする部分も持っている子です」と付言し、「そんな彼が主人公ということからも、青春ドラマが見せられるアニメになっているのでは」とアピールした。

すると、司会の吉田尚記アナウンサーから「必殺技を叫ぶようなタイプ(の作品やキャラ)ではないですよね?」とツッコミが。これに梶が、「本当にリアルな青春のお話です」とあらためて強調しつつ「ただ特殊能力と言うか、知季にだけ"ダイヤモンドの瞳"という、かなり気になるワードがあって」と漏らし、鈴木監督の笑みがこぼれる一幕もあった。

「中学生、高校生たちの青春ドラマということで、等身大の彼らの葛藤をお芝居でも表現したい」と意気込む梶。シドニーオリンピックを目指すという設定の原作を読んだ際に、「シドニーオリンピックは2000年、そこで自分が幾つの時かと考えて、知季は僕と同い年ということに気付いたんです」と喜びを語りながら、「(飛び込みの)1.4秒にいたるまでのセリフや演技を頑張って、飛び込みという競技の面白さを皆さんに届けたい」と告げた。

鈴木監督や待田氏のほか、スタッフとして合わせて発表されたのは、キャラクター原案を務めるヤスダスズヒト。アニメ化もされた漫画『夜桜四重奏 ~ヨザクラカルテット~』の原作者、ライトノベル『デュラララ!!』のイラストを担当していることで知られる漫画家だ。アニメーションは、ゼロジーが制作する。

なお、イベントでは漫画雑誌『イブニング』(講談社)で連載中の人気コミック『いぬやしき』(著:奥浩哉)がTVアニメ化され、同じ「ノイタミナ」枠で10月より放送されることも発表。同作では『TIGER&BUNNY』を手がけてきたさとうけいいち氏が総監督、薮田修平氏が監督をそれぞれ務め、アニメーションは現在『ユーリ!!! on ICE』が放送中のMAPPAが担当する。

こちらは、老年を迎え周囲の人間に疎まれがちなサラリーマン・犬屋敷壱郎が、あるきっかけで機械の身体を持つようになり、同じく機械の身体を手に入れた高校生・獅子神皓(ししがみ・ひろ)と戦っていくSFストーリー。2018年には、実写映画としても展開される。

TVアニメ『いぬやしき』場面写真

(C)2017森絵都・角川文庫刊/アニメ「DIVE!!」製作委員会
(C)奥浩哉・講談社/アニメ「いぬやしき」製作委員会