JRグループは16日、2017年春のダイヤ改正の概要を発表した。来春のダイヤ改正日は2017年3月4日。JR北海道は在来線特急列車の体系を見直し、「ライラック」「大雪」の列車名が復活するほか、「L特急」の表記が「特急」に変更される。

特急「スーパー白鳥」に使用された789系0番台(2015年12月撮影)。来春のダイヤ改正から札幌~旭川間の特急「ライラック」となる

JR北海道は来年3月4日のダイヤ改正に合わせ、北海道新幹線開業まで特急「スーパー白鳥」に使用された特急形電車789系0番台を札幌~旭川間に投入。輸送力増強を図るとともに同区間の特急列車の体系を見直し、現行の特急「スーパーカムイ」に使用される789系1000番台(5両編成、グリーン車なし)の特急列車を「カムイ」、789系0番台(6両編成、1号車にグリーン席15席を設定)の特急列車を「ライラック」に分けて運転する。運転本数は特急「ライラック」14往復、特急「カムイ」10往復、計24往復とされた。

新たに特急「ライラック」の使用車両となる789系0番台では、先頭の1・6号車の外装に札幌~旭川間や旭川駅で接続する列車(稚内・網走方面)の沿線にちなんだ観光素材のラッピングを実施するとのこと。なお、札幌駅発着の電車特急は「すずらん」も含め、「L特急」の表記を「特急」に変更。特急「すずらん」はダイヤ改正後も785系または789系1000番台を使用しての運転となる。

宗谷本線・石北本線の特急列車はキハ183系の老朽・劣化の進行などを理由に、使用可能な車両の範囲内でダイヤ編成を行うため、一部列車の運転区間が見直されることになった。石北本線の特急列車は現在、札幌~網走間の特急「オホーツク」が4往復設定されているが、うち2往復を旭川~網走間の運転とし、列車名を「大雪」とする。ダイヤ改正後の特急「オホーツク」「大雪」は計4往復ともキハ183系4両編成で運転され、「大雪」はすべて旭川駅で特急「ライラック」と接続(同一ホームで乗換え)する。

特急「オホーツク」4往復のうち2往復が旭川~網走間の特急「大雪」に

宗谷本線の特急列車はキハ261系(現行「スーパー宗谷」編成)での運転となる

宗谷本線の特急列車は現在、キハ261系の特急「スーパー宗谷」2往復、キハ183系の特急「サロベツ」1往復ともに札幌~稚内間で運転されている。ダイヤ改正後は3往復ともキハ261系(現行「スーパー宗谷」編成)となる一方、札幌~稚内間特急列車の列車名は「宗谷」となり、1往復のみの運転に。特急「サロベツ」は旭川~稚内間2往復の運転となり、旭川駅で特急「ライラック」と接続(同一ホームで乗換え)する。

千歳線美々駅など計10駅、ダイヤ改正に合わせて廃止に

JR北海道の特急列車はその他、函館~札幌間特急列車へのキハ261系の新製投入により、現行の特急「北斗」1往復が「スーパー北斗」となり、所要時分が10分以上短縮される。札幌~帯広間の特急「スーパーとかち」は下り1本・上り2本の時刻が見直され、上り2本については所要時分が5分前後短縮される。

ダイヤ改正に合わせ、利用者の少ない駅も廃止される。JR北海道は極端に利用者の少ない駅について、駅の廃止を計画的に進めていくと発表しており、来春のダイヤ改正では、千歳線美々駅、根室本線島ノ下駅・稲士別駅・上厚内駅、釧網本線五十石駅、函館本線東山駅・姫川駅・桂川駅・北豊津駅・蕨岱駅の計10駅が廃止されることになった。