マイナビは12月14日、「2017年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」の結果を発表した。同調査は10月3日~11月2日、新卒採用実績のある国内企業2,572社(上場488社、非上場2,084社)を対象に行われた。

約9割が今年の採用活動は「厳しかった」と回答

「募集人数、対前年入社実績数比」

今年(17年卒)の募集人数及び、調査時点の内定者数と、前年(16年卒)の入社実績数を比較した。全体の平均で前年実績比13.9%増の採用数を目指して募集を行ったものの、内定者数は前年実績数にほぼ到達したところ(前年実績比0.2%増)で、採用増の目標を達成するのは難しい状況であることがわかった。採用充足率は87.7%(対前年1.4pt増)だった。

採用活動の印象について聞くと、「前年より厳しかった」が41.9%(対前年19.5pt減)、「前年並みに厳しかった」が47.0%(対前年14.2pt増)と、9割近くが「厳しかった」と回答。「前年より楽だった」は8.4%(対前年4.8pt増)だった。

「前年より厳しかった理由(業界別)」

前年より厳しかった理由としては、「母集団の確保」(65.6%、対前年2.6pt増)が最も高く、全業界でトップ。以降、「セミナー動員」39.1%(対前年3.3pt増)、「辞退の増加」37.3%(対前年11.0pt減)と続いた。また、業界別に見ると、商社と金融は他業界に比べて「辞退の増加」が高かった(全体37.3%、商社44.8%、金融41.5%)。

選考途中・内々定後の辞退率

「選考途中・内々定後の辞退率」

「選考途中の辞退率」について「前年より高かった」という企業は、前年より4.2pt減の28.4%となり、「前年より低かった」は19.0%でやや増加した(対前年1.1pt増)。この結果について、「選考活動開始が前年の8月から6月になったことで、企業の面接実施時期が集中し、選考途中の辞退の増加につながった」と分析。

「内々定後の辞退率」については、「前年より高かった」(31.4%、対前年14.8pt増)と「前年より低かった」(29.7%、対前年9.8pt増)が同程度となった。また、業界別に見ると、金融は「前年より低かった」(38.8%)が「前年より高かった」(19.4%)を大きく上回る結果に。前年(17年卒)は金融の内々定出しが8月に集中したが、今年の6月は前年ほどは集中しなかったため、内々定辞退率が改善したよう。

一方「高かった」が「低かった」を上回ったのは、建設(「高かった」34.5%、「低かった」26.2%)、商社(「高かった」34.0%、「低かった」27.6%)、サービス・インフラ(「高かった」33.7%、「低かった」27.3%)だった。

採用スケジュール変更は「悪い影響」が3割

「17年卒の採用スケジュール変更の影響」

選考活動開始時期が前年の8月から6月になった、17年卒の採用スケジュール変更の影響について聞くと、「主に悪い影響があった」(32.2%)が「主に良い影響があった」(12.6%)を上回った。また、「影響はない」(22.5%)、「よく分からない」(32.7%)の割合は半数を超えた。

「どのような点で影響があったか」を聞くと、「主に良い影響があった」企業では「採用にかかる期間」(61.3%)が最も多く、「主に悪い影響があった」企業では「学生の量」(54.2%)が最も多かった。