俳優の市村正親が12日、都内で行われた主演ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』製作発表会見に、柿澤勇人、ウエンツ瑛士、シルビア・グラブ、宮澤エマ、春風ひとみとともに出席した。

左から春風ひとみ、宮澤エマ、ウエンツ瑛士、市村正親、柿澤勇人、シルビア・グラブ

同作は2014年にトニー賞の作品賞・脚本賞他4部門を受賞したブロードウェイ・ミュージカル。母に死なれた青年・モンティ(ウエンツ、柿澤Wキャスト)が、大富豪の貴族「ダイスクイス・ファミリー」の血を引いていることを知らされ、爵位継承権を持つ8人を次々と殺していくコメディ。市村は8役を演じ、次々と殺されていく役となる。

作中では市村が早替えを行いながら8役を演じるが、会見では市村+市村の仮面をかぶった7人が登場。市村は、自分の顔の仮面を見て「気持ち悪い……」と苦笑した。そして”分身”に囲まれて「こんな顔してんだねえ。あ~あ、やだやだ。以上」と”市村節”を炸裂させた。

市村を殺していくことになるウエンツと柿澤だが、ウエンツは「最高じゃないですか」と率直に感想を表し、市村から「本当に殺すなよ。僕も若いから」とつっこまれる。ウエンツは「千秋楽くらいにわからないですけど」と冗談を飛ばし、仲の良い様子を見せた。

一方、柿澤は「やばいです」と対照的な様子。「隣にいるだけで心臓がバクバク」と緊張を表し、「圧力に僕の方が死んじゃうんじゃないかなって」と恐縮してみせると、市村から「いつから口がそんな達者になった」と驚かれていた。

ダラスで同作を観劇済みというウエンツは自身の役を「ウケの芝居だなと思ってます」と俳優として分析。「笑いを取るような場面はなく、結果的に笑いを取ってしまう」と語り、「1幕2幕で心情が変わっていくので、丁寧にやっていく」と頼もしい姿を見せた。

市村も「確かにコメディなんだけど、やってる人間が笑わそうと思ってやるのではなく、必死に生きてること自体が、はたで見てるとおかしいみたいなことがある」と同意し、「笑いを取りに行くというよりは8役を懸命に生きていきたいなと思います」と舞台への思いを語った。