トッパン・フォームズは12月12日、スマートフォン(スマホ)や血圧計、体温計など各種民生用機器に活用されている近距離無線通信規格のBluetooth Low Energy(BLE)およびNear Field Communication(NFC)の両方を採用したRFID対応温度ロガー「オントレイシス タグ」を開発したと発表した。なお、BLEとNFCの両方を採用するのは業界初だという。

「オントレイシス タグ」の使用イメージ

オントレイシス タグは市販のスマホやタブレットを使い、複数タグへの一括処理は費用の発生しないBLE通信、出荷時や配送終了時の個別処理はNFCを使い、温度履歴を収集・管理できる。表示部は文字・図形表示が可能な電子ペーパーと温度や各種モード表示が可能な液晶の2種類から選択が可能で、低消費電力や高視認性が特徴の電子ペーパーはバーコードや目的地などの情報を表示することも可能で幅広い業務に対応しているという。

オントレイシス タグの特徴として、アクティブ通信(BLE)とパッシブ通信(NFC)の2つの通信機能を搭載し、スマホやタブレットなどの汎用端末との通信が可能なほか、アクティブBluetooth 4.0準拠とパッシブISO14443 TypeAにそれぞれ準拠している。また、小型・軽量・長寿命(電池寿命は約1年)、通信距離10m以上、電波を発しないモードを用意し、航空機搭載が可能(別途航空会社との調整が必要)。

さらに、データ収集のため箱から外してパソコンなどに接続する煩雑さが不要なことに加え、BLEを用いたビーコンシステムのタグとしても使用できる。加えて、異常温度検知時に警告通知し、Android 5.0以上(iOSは今後対応予定)に対応している。

2017年4月には、独自に開発した高機能保冷剤「メカクール」と専用保冷箱にオントレイシス タグを組み合わせ、RFID温度履歴管理システム「Ontrasys/オントレイシス」(新型)として2017年4月に発売を予定。厳格な温度管理を求める声が医薬品や食料品の輸送を中心に強まっている状況を踏まえ、これに対応するさまざまな定温輸送ソリューションを物流業界を中心に提案していく。

今後、オントレイシス タグは2017年4月に出荷を開始し、2017年度に4億円の売り上げを見込んでおり、オントレイシス タグを活用したさまざまなソリューションを提案していく方針だ。