米Googleがデスクトップ版の「Chrome」ブラウザでHTML5のデフォルト化を完了するまでのロールアウト計画を明らかにした。

GoogleはFlashを利用するWebサイトやサービスに配慮してChromeにFlashプラグインを統合してきたが、より安全でモバイル時代に適した効率的な動作を実現するHTML5を優先する計画を今年8月に発表、Chrome 55から切り替えるとしていた。

9日に公開された「Roll-out plan for HTML5 by Default」というブログ記事によると、HTML5のデフォルト化は数カ月をかけて完了させる。まず12月1日に安定版がリリースされたChrome 55のユーザーの1%で「FlashよりHTMLを優先する」(HTML5 by Default)をデフォルト有効にし、平行してChrome 56のベータ版ではユーザーの50%を有効にする。そして2017年2月リリース予定のChrome 56の安定版で、HTML5優先が100%になる。Chrome 55安定版でHTML5優先を手動で有効にしたい場合は、アドレスバーに「chrome://flags/#prefer-html-over-flash」と入力して、「FlashよりHTMLを優先する」を「有効」にする。

HTML5が優先されると、来年1月からはFlashが必要なWebサイトでは初めて閲覧した際にFlashの実行を許可するかどうかをユーザーが選択する画面が現れるようになる。ただし、選択画面の表示がユーザーのブラウジング体験を損なわないように、Site Engagement Index (SEI)を用いて少しずつ表示を増やしていく。SEIは、ユーザーのサイトへの関わりを1~100でスコア化(数字が大きいほど関わりが長い)したもので、1月はSEIスコア「1」以下、2月は「2」以下、3月は「4」以下というように少しずつ引き上げていき、10月には「100」以下、つまり全てのサイトでFlashの実行にユーザーの許可が必要になる。

HTML5 by Defaultを試したい開発者に対してGoogleは、Chrome 56のベータ版を用いてテストするように呼びかけている。Chrome 56ベータ版は、Flash許可の選択画面が表示されるSEIスコアが「30」以下に固定されている。