NTTデータ経営研究所などは12月6日、8Kスーパーハイビジョン技術(8K技術)を活用した遠隔医療の実証実験を12月より実施予定であることを発表した。

同実証実験は、総務省の取り組みである「8K技術を活用した遠隔医療モデルに関する実証」において行われるもので、8K技術を活用した遠隔医療のモデルとして、特に有効性が高いと思われる「遠隔病理診断モデル」および「遠隔診療支援モデル」の2モデルを選定して、医学的観点から効果を発揮するかどうか、また、医療機関間での伝送や画像の技術的な課題はないかなどについて検証を行うことを目的としている。

遠隔病理診断モデルについては、2017年1月下旬より、東京大学医学部附属病院の医師が、虎の門病院に設置した8K顕微鏡を遠隔操作して直接診断するという実証実験が行われる。

遠隔病理診断システムの概要と実証について

また、遠隔診療支援モデルについては、2016年12月中旬より、長崎大学病院の皮膚科医師が、長崎県の離島にある上五島病院にて撮影した8K画像をもとに遠隔で診療支援を行う。同実証実験においては、固定回線が開通していない離島などの医療機関への導入も想定されるため、映像伝送回線として衛星通信が利用される予定。

遠隔診療支援システムの概要と実証について

NTTデータ経営研究所が実証実験の全体取りまとめおよび評価検証を行い、NHKエンジニアリングシステムとNHKエデュケーショナルが8K映像システムの構築および撮影、NTTコミュニケーションズが病院間における地上通信環境の構築、スカパーJSATが病院間における衛星通信環境の構築をそれぞれ担当する。