Microsoftは12月2日(米国時間)、次期Windows 10でシンボリックリンクが一般ユーザーでも利用可能になると、公式ブログで発表した。Windows Vistaから本格的にサポートしたシンボリックリンクは、これまで管理者権限が必要だったが、同社は「開発者のユーザー経験を向上」を目的に本機能を開放すると説明している。

Windows Insider Program参加者にリリースしているWindows 10 Insider Preview 14972で開発者モードを有効にすると利用でき(ただし、PC版の最終公開OSビルドは14971)、Current Branchを選択している利用者は、2017年早期リリース予定のWindows 10 Creators Updateで本機能が利用できる。

一般ユーザーでも利用可能になる「mklink.exe」

Microsoftはシンボリックリンクを作成する「mklink.exe」を、一般ユーザーに開放していなかった理由としてセキュリティ対策を理由に挙げているが、昨今はGitに代表される開発ツールやnpmといったパッケージマネージャーでは、シンボリックリンクを多用しているため、モダンなクラスプラットフォーム開発ツールとの整合性に伴い、仕様変更に至ったと説明している。

Microsoftが示したソースコード管理ツールの動向(公式ブログより抜粋)

モジュール管理ツール「npm」のパッケージダウンロード件数(公式ブログより抜粋)

ただし、本機能は開発者向け機能として提供されるため、Windows 10 Creators Updateでも開発者モードへ切り替えないと、有効にならないと推察される。

シンボリックリンクの使用例。「animals\dog.txt」のシンボリックリンクとして「pet.txt」を作成し、中身をtypeコマンドで確認すると「dog.txt」と同じ内容であることを示している(公式ブログより抜粋)

「設定」の<更新とセキュリティ/開発者向け>で<開発者モード>を選択すると、Windows 10が開発者モードに切り替わる

阿久津良和(Cactus)