外国人が好きな日本の缶詰って?

缶詰は、長期保存ができて料理にも使いやすい、まさに"お助け食材"だ。最近では、凝った料理を閉じ込めた"逸品"な缶詰も登場し、選ぶ楽しみも増えてきている。缶詰をつまみにお酒をいただく「缶詰バー」などに行ったことがある人もいるだろう。そんな、単なる食材以上の面白みがある日本の缶詰だが、来日した外国人が好むのはどんなものだろうか。母国の缶詰との違いも含め、日本在住の外国人20人に聞いてみた。

サバの缶詰が好き

・「サバの味噌煮です。インドにはないのですが、手間をかけずに食べられるところが好きです」(インド/40代前半/男性)

・「缶詰のサバが好き。ロシアではサバをあまり食べない」(ロシア/20代半ば/女性)

・「サバの缶詰です。インドネシアにはサバの缶詰がありません」(インドネシア/40代前半/女性)

・「缶詰の魚が好きです、例えば、サバの缶詰。スペインの魚の缶詰との違いはあまりないと思います」(スペイン/30代前半/女性)

やっぱり定番、ツナ缶!

・「ツナフレーク(ツナ缶)がとてもおいしくて、便利で大好きです。ハンガリーには川魚の缶詰が一般的で、ツナとかありません。しかし、フルーツの缶詰ならハンガリーの方がおいしいと思います」(ハンガリー/30代前半/女性)

・「ツナ。フランスのよりさっぱりしていますが、若干値段が高いと思います」(フランス/30代前半/男性)

・「使い切りサイズのツナ缶。パラグアイのはファミリーサイズしかない」(パラグアイ/30代前半/女性)

・「マグロの缶詰(ツナ缶? )です。使い勝手がいいのでいつも家にあります」(タイ/30代前半/男性)

その他にもある、「コレがおいしい! 」

・「かにみそ。アメリカではまず缶詰のかにみそを見たことないです。かにみそは食べ物ではないと思う人が多いかもしれません」(アメリカ/30代前半/女性)

・「やきとりの缶詰です。特に、柚子こしょう味はすごくおいしいです。ご飯に合います。香港にはありません」(香港/20代後半/女性)

・「タイ風のグリーンカレーはおいしくて手ごろです。でもフィリピンには、いろんな缶詰があります。ツナだけで5種類はあるかな」(フィリピン/40代前半/女性)

・「中国で『マルハニチロ さんま蒲焼』は甘辛いかば焼きのタレがおいしくて人気になりました。日本人でも普通に好きな人は多いですよね。値段も安いので常にストックしてる人も多いです。『缶つまSmoke鮭ハラス』は、傷みやすく昔は貴重な部位だった鮭ハラスを缶詰で食べることができるようになり、保存することができることから親しみやすくなったのです。中国の缶詰では『トウチ風味の綾魚(リンユー/コイ科の魚)の缶詰』(トウチと食用油と共に詰めた缶詰)。大きいな違いは淡水魚を使っていることです」(中国/30代半ば/男性)

・「日本の缶詰でよく使うものはコーンの缶詰です。そのままサラダに使えるのでとても便利です。日本の缶詰はルーマニアより高いです。ルーマニアでは大体どんな缶詰でもお手頃な価格で買えます。また、ルーマニアに豚レバーのパテの缶詰があって、とてもおいしくて安く一番人気の缶詰ですが、日本にはそういうものがありません。あるのはとても高い鶏レバーのパテの缶詰(輸入品)だけです。日本でもお手頃な価格のパテを作ってもらいたいです」(ルーマニア/30代前半/女性)

このへんが母国と違う!

・「イタリアでも日本でも、缶詰はあまり食べたことないですが、東京に住んでいて感じたことは、海外の食品が多くあることです。缶詰も、ハワイのナッツとか北欧の魚類とかいろいろあります。イタリアは特に食品に対して保守的な一面がありますので、海外の物は普通のスーパーとかで販売されることは少ないです」(イタリア/30代前半/男性)

・「あまり日本の缶詰を食べてないけど、特に魚の缶詰の種類は台湾よりずっと多い気がした」(台湾/20代後半/女性)

母国と同じだ・そもそも日本の缶詰を食べない

・「ブラジルとあまり変わりません」(ブラジル/20代後半/男性)

・「日本の缶詰を食べません」(ウクライナ/30代前半/男性)

・「ほとんど使わない」(ベトナム/20代後半/男性)

・「缶詰は食べていませんので、お答えできません」(韓国/20代前半/男性)

・「私は個人的にあまり缶詰が好きではありませんので、好きな商品を指名するのが難しい。品物的にはモンゴルの缶詰とあんまり相違点がございません」(モンゴル/30代前半/男性)

総評

今回のアンケートでは、20人中「サバ缶」4人、「ツナ缶」5人と、意外と日本人にもなじみ深い缶詰がおいしいという回答が多かったようだ。また、母国との違いとして「母国では川魚が一般的」と答える人がいたことから再考すると、日本のメジャーな魚の缶詰は、ほとんどが海水魚かもしれない。あらためて、日本の缶詰を別の視点から見た思いだ。

そのほか、かにみそやタイ風グリーンカレーなどの変わりダネも数点登場。しかし、予想よりも少なかった気がする。外国人は、日本人が見逃してしまう細かい点に気づくことも多いものだが、缶詰への関心はイマイチのようだ。「缶詰をあまり食べない」という回答が7人に及んだのも同じ理由だろうか。筆者にしてみると、簡単便利で面白いネタも豊富な缶詰を使わない外国人がここまで多かったことに驚きなのだが、みなさんはどのように感じただろうか。

調査時期:2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象:日本在住の外国人
調査数:20人
調査方法:インターネット応募式アンケート

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