Googleのサポートから離れてMoziilaは独り立ちできるか? … 米国時間の12月1日、その答えとなる2015年の決算報告書を米Mozilla Foundationが発表した。

Mozillaは長くグローバル規模でGoogleを検索パートナーとする契約を結んで活動してきたが、2014年に契約を終了させた。Chromeを中心としたプラットフォームを構築するGoogleに依存することが、オープンなWebの実現を追求するMozillaの活動に影響し始めたためだ。その後は、米国ではYahoo!をパートナーとし、また百度やYandexなど、国・地域ごとにパートナーと契約する体制に切り替えた。それが持続可能な事業運営モデルになれば、Mozillaは特定のパートナー企業の影響を受けない独立した組織として、Webのオープンネス、革新、機会創出を促進するための活動に専念できる。その試金石として、2015年の業績は注目された。

結果は売上高4億2100万ドル(前年比28%増)、2014年の3億2900万ドル(同5%増)から大きく伸びた。売上高全体の99%を占めるロイヤリティ収入のうち、パートナーシップからの売上高は90%だった。

Googleとのパートナーシップで順調に成長してきたが、2012年から2014年は伸びが鈍っていた。2015年は前年比28%増を達成。

Mozillaは同日に「the State of Mozilla for 2015」を公表した。米国ではトランプ政権の誕生がネットの中立性に与える影響が危惧されているが、Mozillaは改めて、Webのイノベーションを加速させるためにネットの中立性が重要になると強調。またプライバシーおよびセキュリティ、分散化(Decentralization)、Webリテラシー、デジタルインクルージョンなどにMozillaが果たしてきた役割を説明している。

2017年については、コネクテッドデバイスを含むモバイル分野の製品開発への投資強化を明言している。Web情報の発見を促すコンテンツ推薦システム「Context Graph」の開発にも力を注ぐ。また、啓発活動やWebコミュニティへの働きかけなど、インターネットの健全性を保つための活動にも努める。