Microsoftは2016年11月29日(現地時間)、「Office 365」に対する2016年11月のアップデート内容を公式ブログで紹介した。「PowerPoint」や「Outlook」、モバイルアプリケーションなどを対象にコラボレーション機能の強化が図られている。 Microsoftは2015年9月にリリースした「Office 2016」の時点でコラボレーション(共同編集作業)の機能強化をアピールしてきたが、デスクトップアプリ版であるPowerPointのコラボレーション機能は未実装だった。今回のアップデートにより、他の利用者がスライド上の変化をリアルタイムで確認し、Skypeなどのコミュニケーションツールを用いて共同編集が可能になる。

リアルタイムの共同編集作業に対応したデスクトップアプリ版の「PowerPoint」(公式ブログより抜粋)

Outlookはクラウドベースのファイル添付機能をサポート。メールに添付されたファイルをOneDirve for Businessなどにアップロードし、他の利用者と共同編集するシナリオを想定して本機能を実装したと推察する。なお、本機能はWebブラウザーから利用可能なOutlook.comでもサポート済み。モバイルアプリケーション版「Word」「Excel」およびPowerPointでは、共同編集の結果を通知する機能を搭載した。離席中や移動時に他の共同編集者が変更を加えると、モバイルデバイスに通知が発せられ、共有文章の変化や行動を素早く把握できる。なお、本機能は今後も強化される予定だ。

受信済みメールの添付ファイルをOneDriveなどのクラウドへアップロードできる「Outlook」(公式ブログより抜粋)

執筆時点ではAndroidおよびWindows Mobile for Office Insiders上のWord/Excel/PowerPointで共有と編集の通知が行われる。iOS版は2016年12月のアップデートで更新される予定だ(公式ブログより抜粋)

さらにドキュメントの検索性や操作を改善するため、各オフィスアプリケーションの<開く>メニューに<自分と共有>が加わっている。文字どおり自分と共有済みドキュメントが<最近使ったアイテム>と同じように並び、アプリケーションから離れず目的のドキュメントを選択可能になった。今月のアップデートは、この他にもOffice Lensの利便性強化やPowerPoint利用者向けのオンラインアップデートが加わっている。

英語版では<Share with Me>を開くと、共同編集したファイルの一覧が現れる(公式ブログより抜粋)

こちらは筆者のExcelだが、既に<自分と共有>という項目が並んでいる

阿久津良和(Cactus)