三菱航空機はこのほど、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)に関するWEB情報発信ツール「MRJ Newsletter」第19号にて、11月のトピックスを発表。飛行試験機4号機のフェリーフライトや、3号機の初飛行を報告している。

グラント・カウンティ国際空港で並ぶ飛行試験機初号機(奥)と4号機(手前)

11月1日、県営名古屋空港内のMRJ技術試験場で実施していた全機静強度試験が完了した。全機静強度試験は、設計・製造された機体の強度が航空機を安全に飛行させるために必要な基準を満たしていることを検証・評価するために行われる機体構造試験のひとつ。2014年10月から実物大試験機を使用し、数十にわたる試験を実施してきた。

全機静強度試験。一部の試験実施模様(荷重負荷前)

全機静強度試験。一部の試験実施模様(荷重負荷後)

試験ではあらゆる飛行条件下で想定される最大荷重を機体全体や部分的に負荷し、安全な運用を妨げる変形がないことや、機体にかかる最大荷重の1.5倍の負荷に一定時間耐荷することなどを確認。今回の試験完了により、MRJの機体構造が型式証明に必要な強度を有することが確認でき、また、証明に必要な技術データの取得を行った。

飛行試験機4号機(JA24MJ)のフェリーフライトの様子

日本時間の15日には、飛行試験機4号機(JA24MJ)が県営名古屋空港を発ち、米国飛行試験拠点があるワシントン州モーゼスレイクに到着。このフェリーフライトは、グアム国際空港、マーシャル諸島マジュロ国際空港、ホノルル国際空港、カリフォルニア州サンノゼ国際空港を経由し、計約1万4,000kmを飛行。約18時間40分かけ、18日(日本時間の19日)、グラント・カウンティ国際空港へ到着した。その後、25日より米国での飛行試験を開始した。

飛行試験機3号機(JA23MJ)初飛行の様子

22日には飛行試験機3号機(JA23MJ)が初飛行を実施。黒いラインが特徴の3号機は、機体の操作性など基本的な飛行特性を確認し、約2時間のフライトを経て県営名古屋空港に着陸した。

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