シャープは小人数家庭に最適な350Lの中型サイズ冷蔵庫「SJ-GW35C」と、一人暮らしに向いた137Lの小型サイズ「SJ-GD14C」を発表した。価格はオープン。推定市場価格はSJ-GW35Cが160,000円前後、SJ-GD14Cが65,000円前後(いずれも税別)。2017年1月19日に発売予定となっている。いずれもガラスドアの採用や、プラズマクラスター機能の搭載など、コンパクトサイズ冷蔵庫とは思えない高級感のあるデザインと高機能さがウリだ。

137Lサイズの「SJ-GD14C」(写真左)と350Lサイズの「SJ-GW35C」

サイズを下げると機能が犠牲に……

現在多くのメーカーが高機能な冷蔵庫を発売しているが、その多くは500L以上の大型サイズ。とはいえ、最近は核家族化も進んでおり「子供が独立して夫婦二人」という家庭も増えている。そういった少人数家族にとっては、かならずしも大型の冷蔵庫は必要ではない。また、住居によってはそもそも大型冷蔵庫がスペース的に導入できないこともあるだろう。

ところが、400L以下の冷蔵庫はどのメーカーの製品も機能が非常にシンプルで、「コンパクトサイズでも高機能な冷蔵庫が欲しい」というユーザーの選択肢が少なかった。結局は機能を重視して大型サイズを購入するか、サイズを重視して機能を犠牲にせざるをえなかった。また、大型の高機能冷蔵庫は高級感があり汚れの落ちやすいガラスドアを採用しているが、中型以下の冷蔵庫は鋼板ドアを採用していることがほとんどだ。

今回発表されたSJ-GW35Cは、350Lサイズと中型サイズながら、ガラスドアを採用。左右どちらからでも開ける「どっちもドア」にも対応している。

左右どちらからも冷蔵ドアをあけられる「SJ-GW35C」。フロントドアの素材には、高級感のあるガラス素材を採用。サイズはW60×D66×H169cm

美味しさをキープする機能は妥協しない

SJ-GW35Cは機能にもこだわっている。最近の大型高機能冷蔵庫は「野菜を長持ちさせる」機能をウリにしたものが多いが、SJ-GW35Cにも「シャキット野菜室」を搭載。野菜に冷気を直接あてず、野菜を包み込むように間接冷却することで、葉野菜などは約2倍の鮮度保持ができるという。

68Lの野菜庫の一部が、野菜の鮮度保持力に優れた「シャキット野菜室」になっている。野菜庫は引き出しで仕切られた2段構造になっているが、シャキット機能はL字型の下段のみ

シャキット野菜室と、従来の野菜室で保存したチンゲンサイを比較。シャキット野菜室で保存したチンゲンサイのほうが、あきらかに葉先までピンと新鮮

冷凍室には「新鮮冷凍」機能を搭載。一般的な冷凍庫は、ドア開閉後や霜取り運転中に一時的に庫内温度が上がるため、ミンチ肉に霜がつく現象などが起きていた。一方の新鮮冷凍機能では、霜取り運転前とドア開閉後に庫内温度を急冷。安定した低温保存により食品の霜つきを抑え、鮮度を高く保つ。

冷凍室は約99L。中型冷蔵庫としては比較的大きく感じる。冷凍庫内は上下に引き出しで区切られたデザインで、引き出し上段左には自動製氷機の氷が溜まるスペースがある

使いやすさも注目

冷蔵室で注目したいのは「どこでもスパイスポケット」。取り外して移動可能な調味料用の収納ボックスだ。ボックスは斜め形状になっていて、チューブわさびなどの不安定な調味料が倒れにくいほか、背の低い調味料も一目でどこにあるか分かる。移動も可能なので、SJ-GW35Cの3段あるドアポケットのどの段にも設置可能なほか、食事時にまとめて食卓に移動させることも可能だ。

底を斜め形状にすることで、倒れやすい調味料も立てて保存できる「どこでもスパイスポケット」

会場には従来までのドアポケットも展示されていた。チューブの調味料などが倒れ、乱雑に積み重なっている。使いやすさの違いは一目瞭然

もちろんシャープ独自のプラズマクラスター機能も搭載。冷蔵庫内に浮遊・付着する菌の除菌ができる。シャープによると、冷蔵庫内は食材を保存する場所だけに、こういった清潔性に関してはこだわっているとのこと。

中型タイプの冷蔵庫だが、カビや菌の抑制ができるプラズマクラスター機能まで搭載している

シンプルさにこだわったデザイン

SJ-GD14Cは、137Lサイズの小型タイプの冷蔵庫。単身世帯やリビングに置く「二台目」としての需要を想定している。リビングや寝室など、台所以外の場所に設置しても違和感がないよう、こちらも小型タイプとしては珍しいガラストップデザインを採用。素材だけでなく「シンプルなデザイン」にもこだわっており、本体は可能な限り曲線や凹凸を排除している。

小型ながらガラスドアを採用した「SJ-GD14C」。直線で構成されたシンプルなデザインでインテリアの邪魔をしない。サイズはW48×D60×H112.5cm。天板上部がフラットなので、電子レンジなども置ける

上から見たときにドアが驚くほど薄い。このドアの薄さもデザインの特徴のひとつ

できるだけシンプルに見えるよう、引き出しのハンドルの形状にもこだわった。シンプルさと使いやすさを両立するため、多数の試作品を作って試行錯誤したそうだ

庫内内部の壁は白色だが、庫内奥面だけグレーの配色。これも、シックで落ち着いたイメージを演出するためのこだわりなのだとか

女性でも簡単にドアを付け替え

小型タイプながら、使い勝手にもこだわりがある。なかでも特徴的なのが「つけかえどっちもドア」だ。ドアの開く方向を簡単に変更できる機能で、付け替えにはドライバーなどの工具は一切必要なし。いつでも気が向いたときに、サッと変更できるのも便利だ。

写真では右開きのドアだが、「つけかえどっちもドア」機能で簡単に左開きに変更できる

ドアの開く方向を変えるには、最初に冷蔵庫上部に2つあるカバーのうちの「ヒンジ側」をとりはずし、内部のビスを手で引き抜く。ビスの引き抜きにはドライバーなどは必要なし

この状態でドアを持ち上げると、女性でも簡単にドアが外れる。あとは、ビスの位置を右から左に変更してドアを戻すだけ。2~3分で簡単に付け替えられた

なお、SJ-GD14Cにはシャキット野菜室を採り入れていないが、庫内を清潔に保つプラズマクラスター機能は搭載している。