2016年11月16日(現地時間)、Microsoftは同日から18日の3日間、米ニューヨークで開催中の開発者向けイベント「Connect(); 2016」の基調講演で、macOS版のVisual Studio「Visual Studio for Mac」を発表した。Visual Studioエンジニアリングチームの公式ブログによれば、Xamarin StudioをベースにWindows版Visual Studioと同じくIntelliSenseやデバッガーが利用可能になる。開発者はXamarinおよび.NETでAndroid/iOS向けアプリケーションや、.NET Core/ASP.NET Coreベースのサーバーサイドアプリケーション開発にも対応。既に公式ページからプレビュー版をダウンロードできる。

基調講演で披露した「Visual Studio for Mac」(公式動画より抜粋)

Visual Studio for MacはC# 7およびF#を開発言語としてサポートし、.NET APIベースでAndroid/iOS/tvOS/watchOS/macOSのアプリケーション開発が可能。コード共有でXamarin.Forms APIを抽象化し、NuGet.org上の数千にもおよぶ.NETライブラリーへアクセスできる。また、コンパイラーもあらゆるタイミングでプログラムを最適化するLLVMへ対応した。

基調講演ではMicrosoft Visual Studio Code Principal Program ManagerのChiris Dias氏がプレゼンテーションを行った(公式動画より抜粋)

他方で.NET Frameworkを使用して独自のバックエンドサービスを構築し、Linuxサーバーへ展開する機能を備えている。プロジェクトテンプレートを利用することでエンドツーエンドの設定が可能。プッシュ通知やユーザーアカウント管理などは「Microsoft Azure App Services」を利用することでコードを簡略化できるとVisual Studioエンジニアリングチームは公式ブログでアピールした。別の記事では、「Visual Studioファミリーは拡大し続ける」と述べ、(Windows版)Visual Studio、Visual Studio for Mac、Visual Studio Code、Visual Studio Mobile Center、Visual Studio Team Servicesといった製品名を掲げた。

Xamarin Studioがベースになっているため、iOSやAndroid向けモバイルアプリケーションの開発も容易(公式ブログより抜粋)

阿久津良和(Cactus)