ルネサス エレクトロニクスと独ESCRYPTは、自動車用の電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)に必要とされる高レベルセキュリティを提供するハードウェアとソフトウェアの統合ソリューション開発で協業することで合意したと発表した。

同ソリューションは、ECUに高レベルセキュリティを提供するESCRYPTのソフトウェア「CycurHSM」と、安全な制御を実現するICU-Mを搭載したルネサスの40nmプロセス車載用マイコン「RH850/P1x-Cシリーズ」で構成されており、これらを組み合わせることで、将来のクルマに求められる安心と安全を提供することが可能になるという。

また、RH850/P1x-Cシリーズを使用したECU開発では、両社から提供されるセキュリティの実装を容易にする最適なソリューションを活用することができるほか、AUTOSAR完全準拠のため、既存のAUTOSARアプリケーションに対するセキュリティソフトの開発を簡単な設定のみで済ませることができるため、開発期間を最大90%削減することが可能だという。

さらに、新規アプリケーションについてもAUTOSARへの準拠・非準拠に関わらず、ソフトウェアの下位レイヤまたはハードウェアに依存する設計の考慮する必要がないため、上位レイヤのソフトウェア開発に集中でき、これにより、車載ECUの開発全体にかかる期間を少なくとも50%削減することが可能になるという。

なお同ソリューションは、鍵管理といった追加のセキュリティサービスを活用することでさらに機能を拡げることが可能で、ESCRYPTの親会社であるETASなどにより提供されるAUTOSARスタックへ統合することもできるという。