東京ミッドタウンはこのほど「Tokyo Midtown Award 2016」のデザインコンペ結果を発表。「Anniversary」をテーマにしたデザインの審査員特別賞に、子どもの出生時体重と同じ重さのウイスキーボトルをかたどった関戸貴美子さんの作品「THE BIRTH」が選ばれた。

「Tokyo Midtown Award 2016」のデザインコンペで審査員特別賞を受賞した「THE BIRTH」

同デザインコンペは、ミッドタウンに関連するテーマを設定して毎年行われている、プロのデザイナーだけでなく、生活者、学生などが参加できるオープン形式のコンペ。受賞者には同デザインの商品化に向けてサポートが得られる。

9回目となった今回は、「Anniversary」をテーマに作品が募集され、1,249作品の応募があった。このうち審査員特別賞の小山薫堂賞に、子どもの出生体重と同じ重さのウイスキーボトル「THE BIRTH」が選ばれた。出生時に感じた命の始まりの重さを手元に残してもらい、子どもが成人する際、ウイスキーを味わってもらえるよう、想定した商品だ。

子どもが成人した際、共にウイスキーを楽しむ想定で作られている

デザインを考案したアートディレクターの関戸貴美子さんは、SNSでの出産報告で、友人のほとんどが出生体重を書いていることに気づき「自分の体から2~3kgのものが出てくるってとてもインパクトのあるもの」と感じたそうだ。

「うまれた瞬間から体重は変化していき、どんどん大きくなっていくのがうれしいような、最初の重さが恋しいような、そんな親心も知りました」。時間の変化や記憶という価値を出産祝いの品に与えることができないかと考えた結果、出生体重をウイスキーに落とし込むことに行き着いたという。

10年、20年と時間を経過していくことで変化するウイスキーは、子どもの成長を表現するのに最もふさわしい素材だと思ったとのこと。現在商品化のメドはたっていないが、「出産祝いという視点で作り始めましたが、赤ちゃんを授かったご夫婦が、20年後のお子さんとの時間を想像しながら手にとっていただけるとうれしいです。そのためにも、どうにかして商品化したいです」と話している。