ソシオネクストは11月10日、HEVC/H.265、AVC/H.264、MPEG-2方式といったさまざまな映像および音声データのエンコード、デコード、トランスコードなどの機能を1チップで提供するマルチフォーマットコーデックLSI「MB86M30」を開発したことを発表した。

同製品は、4K映像を従来技術比でコストを1/2に抑えつつ、画質をそのままに配信できるデータ圧縮方式 HEVC/H.265に対応したエンコーダコアを搭載したほか、従来のAVC/H.264およびMPEG-2方式での映像・音声データのエンコード、デコード、トランスコードなどの機能を1チップに搭載したもの。

4K/60p映像のリアルタイムエンコード/デコードに対応しており、HEVC/H.265エンコードでは、10msの遅延で処理が可能なほか、HDR(High Dynamic Range)映像にも対応。これらの機能を1チップに集積したことで、消費電力はCPUなどを用いていた従来ソリューション比で1/50に削減することに成功したという。

なお、同製品は、2016年11月末よりプロフェッショナル用ハイエンド製品向けに量産出荷を開始する予定のほか、同社が新たに提供を開始する「8K HEVCリアルタイムエンコーダソリューション」にも対応することが予定されている。

「MB86M30」のチップ外観