日産自動車は2日、コンパクトカー「ノート」に、従来の駆動方式とは一線を画す新しい電動パワートレイン「e-POWER」を搭載した「ノート e-POWER」を追加すると同時に、「ノート」全車についても一部仕様向上を実施して発売した。

日産「ノート e-POWER」

今回搭載された「e-POWER」は、ガソリンエンジンとモーターを融合した新しいパワーユニットで、ガソリンエンジンで発電した電気を使い、モーターで走行する電動パワートレイン。燃料はガソリンを使用するため、充電を気にする必要がなく、100%モーター駆動ならではの力強くレスポンスの良い加速と優れた静粛性を実現した。

通常の発進や走行時には、エンジンが停止したまま高電圧バッテリーからの電力だけで静かに力強く発進し、夜間や早朝の住宅街でもエンジン音を気にすることなく走行可能。「リーフ」にも搭載している大出力モーターによって、同社の2.0Lターボエンジンに匹敵するトルクを発揮する。エンジンはバッテリーの残量や車速に応じて始動し、エンジン音が気にならない回転数に制御しながら充電を行うしくみだ。

各パワートレインの構造の違い

また、急加速や登坂時などには、バッテリーからの電力に加えてエンジンで発電した電力も直接駆動モーターに供給し、力強い走りを実現する。減速時にはエンジンを停止し、回生発電した電力を高電圧バッテリーに充電することで停車寸前まで回生が行われるため、減速エネルギーを無駄にしない。外部電力からの充電は不要で、通常のガソリンエンジン車やハイブリッド車と同様、ガソリンの給油のみで走行する。

「e-POWER」に搭載されるエンジンは発電専用であり、発電のために高効率な作動領域を保つように自動制御されているため、アクセル開度による影響を受けにくく、優れた燃費を実現した。さらに、アクセルペダルの踏み戻しだけで、加速から減速まで楽に行える新感覚の走行モード「e-POWER Drive」を採用。加速度の違いにより、きびきびとした走りの「Sモード」と燃費にやさしい「ECOモード」、通常の加減速度の「ノーマルモード」を選ぶことができる。

「ノート」全車については、エクステリア・インテリアに新デザインを採用したほか、スマート・ルームミラー(インテリジェントアラウンドビューモニター表示機能付)追加などで安全装備を向上させた。助手席バニティミラーも新たに装備し、使い勝手を向上させている。「ノート」全車の価格は139万3,200~198万5,040円。「ノート e-POWER」は「e-POWER S」「e-POWER X」「e-POWER MEDALIST」の3グレード展開で、価格は177万2,280~224万4,240円となっている(価格はすべて税込)。