IPAセキュリティセンターは11月1日、レッドハットが提供している「Red Hat Enterprise Linux 4」の延長サポート、「Red Hat Enterprise Linux 5」(以下、RHEL)の通常サポートが2017年3月31日に同時に終了する)ことを踏まえ、システム管理者に速やかな移行を求めるため、注意喚起を行った。

RHEL4は2017年3月31日で延長サポート期間が終了し、以降のサポートは提供されない。一方、RHEL5は通常サポート期間が終了し、延長サポートは2020年11月30日まで有効となる。

IPAは移行後のシステム利用を仮に2020年11月末以降も予定している場合、移行計画は現時点でRHEL7を念頭にするのが賢明とアドバイスしている。

各バージョンのサポート期間(2016年11月1日現在)

レッドハットもWebサイトで対策を呼びかけている

RHELの使途は外部からインターネットでアクセスされるサーバにも活用されているため、サポート終了により修正パッチが提供されなくなると、インターネットを介して攻撃にさらされる可能性が高くなり、速やかな移行が求められるとしている。

移行にあたっては、ハードウェア、OS、ミドルウェア、アプリケーションの互換性を考慮する必要がある。

IPAセキュリティセンターは、RHEL7は64bit版のみ提供されているため、今回サポート終了を迎えるRHEL4/5で32bit版を利用している環境で「RHEL7」にバージョンアップする際は大規模な改修が想定されること、OSのバージョンアップでは、同時にミドルウェアのバージョンアップも必要となることが多いことから、アプリケーションが動作しなくなる可能性があることを指摘している。

移行における互換性のイメージ