カンタス航空(本社: シドニー)は現地時間の10月27日、2017年に予定しているボーイング787ドリームライナーの導入に向け、象徴的なカンガルーロゴの刷新を発表。直近の変更はエアバスA380導入時の2007年であり、今回のロゴ刷新は尾翼に赤と白のカンガルーロゴが1944年に導入されて以来、5度目となる。

787導入に向け、カンガルーロゴを刷新

新デザインは、カンタスのデザイナー・コンサルタント、マーク・ニューソン氏とオーストラリアのデザイン会社、ヒューストン・グループとの協力によって実現。マーク・ニューソン氏は、過去にカンタスのラウンジやA380の客室、代表的なスカイベッドなどをデザインしている。

フライングカンガルーという根本的要素は残しつつ、ブランドを進化させることを構想。より流線型を意識してカンガルーに影をつくることで、躍動感と奥行きを与えた。また、尾翼から機体後部にかけてのシルバーのラインは、より高級感を演出。およそ2mの高さとなる「Qantas」の文字は、特に慎重に流線を描いたという。

ウイングチップの内側にもカンガルーを配置したことで、機内の窓からカンガルーが見えるようになり、乗客が離陸時に窓から撮影する写真に写るようになった。エンジンカウルに配置されたカンガルーは、位置を中央にサイズも大きくしたので、より目立ち見分けやすくなっている。

過去のカンガルーロゴ

かつて30年の間、尾翼に使用されたクラシカルな「翼のあるカンガルー」は、伝統を受け継ぐためにコクピット窓の下へ、各航空機の名前と共に表示する。新デザインは、デジタル関連や看板類、広告などから順次登場する予定。パジャマなどの他のアイテムについても、在庫が終わり次第、新ロゴのものに差し替えとなる。航空機のロゴ刷新は再塗装のタイミングで行い、2020年に迎えるカンタス航空の創立100周年までに完了する予定となっている。

歴代のロゴ

カンタスグループCEOのアラン・ジョイス氏は、「世界中の空港で乗客がカンタスの尾翼を見る時、それは故郷のシンボルとして映ります。われわれはブランドへの親近感を残しつつ、787とカンタスのようによりモダンでダイナミックなデザインを目指しました。歴史を振り返ると、ロゴの刷新はいつも革新的な航空機の登場と共にありました。1947年のロッキード・コンステレーション機、1984年のB747-300、2007年のA380の登場の伝統的な出来事にさかのぼります。新ブランドは、この先の100年を見据えているカンタスの新時代のシンボルとなるでしょう」とコメントしている。