三菱総合研究所(MRI)は10月28日、人工知能(AI)の活用により企業の採用活動に関わる意思決定を支援する「エントリーシート優先度診断サービス」を、マイナビ就職情報事業本部との共同サービスとして提供開始すると発表した。

「エントリーシート優先度診断サービス」は、企業一社一社の過去の選考実績を用い、その企業の選考・評価基準をAIが学習し、優先度診断モデルを構築。このモデルに対して新しいエントリーシート情報を入力することで、その企業にとっての「優先度」をエントリーシートごとに出力するサービス。

「エントリーシート優先度診断サービス」機能概要(特許出願中)

国内企業は新卒採用において、エントリーシートを用いた採用活動を行っているが、企業によっては毎年数万件のエントリーシートを受け付けており、採用活動期間が短期化するなか、エントリーシートを読み切れず、優秀な人財を逃しているのでは、といった声が多く挙がっているという。また、エントリーシートに基づく選考・評価基準が担当者に委ねられているケースが多く、読む人によって基準が異なる等の課題もあるという。

そこで今回MRIは、マイナビ就職情報事業本部との共同サービスとして「エントリーシート優先度診断サービス」を提供する。このサービスでは、最新のAI技術の活用により、文章などの自然言語の意味を解釈でき、各社の特徴を反映した評価結果を提供できるという(特許出願中)。

これにより、企業と学生のマッチング精度を高めるとともに、採用活動の迅速化が可能となる。また、AIが学習した結果を可視化することで、各企業が選考において重視している項目を定量的・客観的に把握でき、自社の選考・評価基準の振り返り・検証にも活用できるという。

今後は、来年度採用での導入に向け各企業への提案を本格化するほか、同サービスをより付加価値の高いサービスにすべく、更なる精度向上に取り組むとともに、辞退者予測機能等の機能強化を図る予定だという。