IDC Japanは10月27日、国内エンタープライズストレージシステム市場における支出モデルのトランスフォーメーションを分析した結果を発表した。これによると、パブリッククラウドサービスやプライベートクラウドサービスをはじめとするサービス利用へのシフトが進んでいることが明らかとなった。

今回の調査は、2015年12月に発行した「2015年 国内企業のストレージ利用実態に関する調査:次世代ストレージへのトランスフォーメーション」(J15630601)のデータに基づき953社のユーザー企業を対象に、ストレージ容量の観点で外部サービス利用へのシフトを調査。保有ストレージ総容量に占める外部サービスの割合について、パブリッククラウドサービス利用者では「50%以上」とした回答の比率が13.5%となり、プライベートクラウドサービス利用者では「50%以上」とした回答の比率が22.7%となった。

保有ストレージ総容量に占める外部サービスの割合

特にプライベートクラウドサービスでは、ITインフラストラクチャにおける共通基盤として利用されるケースが多く、外部サービスで管理されるストレージ容量の割合が高い結果になったと分析している。サービス利用へのシフトが進む理由には、ストレージ運用管理コストの削減、柔軟な拡張性、迅速な導入/構築などがあるという。

デジタルトランスフォーメーションの実現を支えるプラットフォームとして、ITインフラストラクチャの柔軟性や伸縮性を高めることが重要だという。柔軟性を高めるには、サービス利用へのシフト、中でもクラウドサービスの利用が選択肢になるとしている。

また、オンプレミスにおいても、ハイパーコンバージドインフラストラクチャなどにより、柔軟性の高いITインフラストラクチャを構築できることに加え、リースや従量課金モデルといったファイナンスオプションを採用することで、支出モデルの柔軟性を高めることを可能としている。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの宝出幸久氏は「クラウドをはじめとするサービス利用へのシフトやファイナンスオプションの採用によって、支出モデルのトランスフォーメーションを進め、柔軟性の高いITインフラストラクチャを実現すべきである」と説明している。