NRIサイバーパテントとFRONTEO(旧UBIC)は10月26日、NRIサイバーパテントが提供する特許情報サービス「NRIサイバーパテントデスク2」と、FRONTEOが提供する人工知能による特許調査・分析システムである「Lit i View PATENT EXPLORER」の連携により、特許調査におけるAI利用の促進を目指す協業を開始すると発表した。

連携による業務のイメージ

今回の両社の取り組みでは、NRIサイバーパテントデスク2とFRONTEOが独自開発した人工知能「KIBIT(キビット)」により、特許の調査・分析作業を効率化させるPATENT EXPLORERを連携させることで、先行技術調査や無効資料調査など調査・分析作業の効率化を実現するとしている。

この連携による業務のイメージとして、NRIサイバーパテントデスク2による文献の絞り込み、PATENT EXPLORERによる特許文献のスコアリング、NRIサイバーパテントデスク2による特許文献のレビューの3種を挙げている。

文献の絞り込みでは、NRIサイバーパテントデスク2のキーワード検索などの検索機能を用いて、膨大な特許文献から調査・分析対象となる文献の絞り込みを行う。スコアリングでは、絞り込みで得た文献の中から教師データを指定し、KIBITで関連度の高さ順にスコア付けを行う。

この場合の教師データは、無効にしたい特許に係る特許公報など、調査の対象となる特許文献(もしくは発明の特徴を明確に列挙したテキスト)を指す。特許文献のレビューは、スコアリングでスコア順に並べ替えた文献を、NRIサイバーパテントデスク2が搭載する閲覧機能を用いてレビューする。

これらにより、例えば1000件の特許文献調査において、PATENT EXPLORERによるスコア付けを行なうことで上位10~20%(100~200件)の文献調査に注力できるなど、調査効率の向上が可能だという。また、スコア付けした結果のフィードバックを行うことで、KIBITが再学習し、より精度の高い結果を導くことが期待できるとしている。