半導体市場調査企業である米IC Insightsは10月19日(米国時間)、2016年の世界IC市場成長率の予測(金額ベース)を従来のマイナス2%からプラス1%へと上方修正したほか、数量ベースの予測もプラス4%からプラス6%へ上方修正した。このような上方修正に最も貢献したのはDRAMの売上高増加である。なお、ここでのICは、同社の定義により、ディスクリート、センサ、オプトエレクトロニクスデバイスを除いた半導体分野を意味している。

2016年第4四半期の売上は史上最高額へ

2002年以降過去15年間の第3四半期(7~9月期)の前四半期(4~6月)成長率の平均値はプラス8%で、2015年は1%しか成長しなかったものの、2016年は9%と過去の平均値を上回る結果となった。また、第4四半期(10~12月期)は、対前四半期比で1%増の769億ドルの見込みであり、四半期ベースにおける史上最高額を更新するものと予測される。ちなみに、過去の最高額は2014年第4四半期に記録した767億ドルであった。

2016年下半期は前期比で12%の増加

1990年以降の各年下半期のIC売上高は、同年の上半期と比べた成長率平均値(2016年予測値を含む)で8.9%であったが、2016年のそれは12.3%と2桁成長が予測されている。2015年は、マイナス1.2%と悲惨な状態に陥り、通年でもマイナス成長となってしまったが、2016年は、前年とは対照的に、年末に向けて好転している。

なお、2017年のGDPは、2016年よりやや好転すると予測されているほか、DRAMおよびNANDが引き続き需要増加に伴う価格上昇が期待されるので、IC Insightsでは、2017年のIC市場については4%の成長との予測を示している。

表1 過去26年間の世界IC市場の各年下半期の対上半期成長率(%) (出所:WSTS、IC Insights)