ヤマハは10月26日、情報通信研究機構(NICT)の協力を得て、新たなインバウンドソリューションの実現のために、同社が提供する音のユニバーサルデザイン化支援システム「おもてなしガイド」と、NICTが提供する旅行会話用の多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」との実験的な連携を開始した。

アプリ連携イメージ

同社は、日本語のアナウンスの内容を多言語の文字や音声で利用者のスマートフォンにほぼリアルタイムに提供できるシステム「おもてなしガイド」を2014年に開発し、現在では多くの企業や施設、自治体、メーカーなどと協力してその普及に取り組む「Sound UDプロジェクト」を展開している。

同プロジェクトにおいて、全国の空港、鉄道、バス、商業施設、商店街、テーマパークなどの協力を得て、2016年3月に訪日外国人387名を対象に実施したアンケート調査では、日本語がわからず困ったことのある外国人は約81.6%に上り、特に困ったシチュエーションの上位3件は「観光地やテーマパークのショーやアトラクション」「会話」「アナウンス」という結果になったという。

Q.訪日中、日本語がわからず困ったことはありますか?

Q.どういったシチュエーションで困りましたか?

今回のアプリ連携は、こうした状況を解決するべく実験的に実施するもので、おもてなしガイドアプリからVoiceTraへのアクセスをシームレスに行うことを目的に取り組む。

アナウンスなどの対人による会話を要しないものは、おもてなしガイドアプリで翻訳内容の確認を行い、対人による会話でコミュニケーションを行う場合はVoiceTraを利用するなどの使い分けをワンタッチ操作で簡単に行えるようになるという。また、今回の連携に併せて、指差し会話機能をはじめとした訪日外国人に向けて便利な機能の追加も行う方針だ。