米Appleが10月26日(現地時間)に発表した2016年度第4四半期(2016年7月~9月)決算は、3期連続となる減収減益だった。一時は欧州を上回っていた中国の売上高が前年同期比30%減と落ち込んだ。ただし、主力製品iPhoneの販売台数の減少がアナリストの予測よりも少ない5%減にとどまっており、10月~12月期にさらに改善すると見ている。

9月期の売上高は468億5200万ドルで、前年同期比9%減。純利益は90億1400万ドルで同19%減、希薄化調整後の1株利益は1.67ドルだった。2016年度通期では、売上高2156億3900万ドルで前年度比8%減、純利益は456億8700万ドルで同14%減。通期の減収減益は2001年以来。以下は9月期のiPhone、iPad、Macの販売台数と売上高(増減は前年同期比)

  • iPhone:販売台数4551万3000台(5%減)、売上高281億6000万(13%減)
  • iPad:販売台数926万7000台(6%減)、売上高42億5500万ドル(横ばい)
  • Mac:販売台数488万6000台(14%減)、売上高52億3900万ドル(17%減)

売上高全体に占めるiPhone売上高の割合は60%だった。iPhoneのASP(平均販売価格)が、iPhone 7シリーズ効果で619ドルに上昇した。6月期はiPhone SEがよく売れた影響で595ドルだった。減速が続くMacについては、Appleが10月27日に「Hello Again」というMacの刷新を連想させるスペシャルイベントの開催を予定しており、決算発表においてCFOのLuca Maestri氏は「今日および未来のMacユーザーと、まもなくエキサイティングなニュースを共有できる」と述べていた。

サービス(インターネットサービス、AppleCare、Apple Pay、ライセンス事業など)は、売上高57億3900万ドル、前年同期比24%増と好調な伸びを維持。売上高全体に占めるサービス売上高の割合が14%になった。

Apple TV、Apple Watch、Beats製品、iPod、Appleブランドのアクセサリなど「その他の製品」は、売上高23億7300万ドルで前年同期比22%減だった。

地域別では、中国が売上高87億8500万ドルで前年同期比30%減。米国も同7%減だったが、FeliCa対応でiPhone 7シリーズやApple Watch Series 2が話題になっている日本は売上高43億2400万ドルで同10%増だった。

2017年度第1四半期(2016年10月-12月)については、売上高760億-780億ドル、粗利益率38~38.5%を予想している。