ルネサス エレクトロニクスは10月19日、同社の車載半導体「R-Car」のハイエンドSoCである「R-Car H3」を搭載した車載用開発キット「R-Car スタータキット Premier」2セットと、シャシー制御用ハイエンドマイコン「RH850/P1F-C」を搭載することで、自動運転の実車搭載に向けた開発を加速させる「HAD(Highly Automated Driving:高度自動運転)ソリューションキット」を開発したと発表した。

同キットは、自動運転向けの開発における各種センサと接続した環境での試験データ収集、解析作業などを容易化することを目的に、5×100MbpsのイーサネットBroadR-Reachポート、1Gbpsのイーサネット、フレキシブルなデータレートを実現する車載コントローラエリアネットワーク(CAN-FD)、FlexRayを搭載しているほか、ミリ波レーダ、レーザーレーダー、超音波センサなど各種センサ情報の入力、さらには最大16チャンネルのカメラ入力を可能としつつ、放熱対策を施した堅牢なケースにスタータキット2セットとRH850を搭載。データのロギングにはSSDをサポートしており、開発に必須となる外部モニタとのインタフェースにはHDMI出力もサポートしている。

なお、R-Car H3はLinux Yocto、RH850/P1H-Cは同社標準ソフトウェアパッケージに対応しているが、今後、順次同社のパートナーから追加ソフトウェアが提供される見込みだという。

ルネサスの「HADソリューションキット」。右のケースに入っているのが通常の状態。中央と左はケースを開けた状態