新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は10月19日、NEDO「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」において、新規ランガサイト型単結晶を用いた振動子を開発し、結晶育成からデバイス製造までの新たな製造プロセスを確立したと発表した。

同成果は、東芝照明プレシジョン、東北大学金属材料研究所・未来科学技術共同研究センター、Piezo Studioらの研究グループによるもの。10月26日~28日に東京ビックサイトで開催される「NEDO省エネルギー技術フォーラム2016」において同振動子が展示される予定。

同振動子は、新規ランガサイト型単結晶を用いることにより、水晶振動子に対し低インピーダンス、短起動時間、広帯域幅の特徴を有しており、搭載機器の省電力化や小型化に貢献できるとともに、広帯域幅の特徴を生かしたフィルターへの採用など、新しい用途での活用も期待できる。

また従来、ランガサイト結晶を用いた振動子は製造コストが高くなることが課題だったが、今回、結晶育成からデバイス製造の工程で、結晶の大型化、結晶材料の再利用やデバイス封止工程での新製造プロセスを開発、採用したことにより、省材料・高速化を実現した。

今後は、サンプル提供をしながら、さらなる特性向上と低コストへの製造プロセス開発を継続し、量産開始を目指していくとしている。また、新規ランガサイト型単結晶の特性を生かし、発振器などのタイミングデバイスの開発も順次進めていきたい考えだ。

新規ランガサイト型単結晶(左)と振動子(右)の外観