メドピアはこのほど、「DTC(Direct to Consumer)遺伝子検査」についてのアンケート結果を発表した。同調査は8月31日~9月6日、医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」会員医師4,018人を対象にインターネットで実施したもの。

左から「DTC遺伝子検査を知っていましたか? 」「DTC遺伝子検査は健康維持・増進に効果があると思いますか? 」

「DTC(Direct to Consumer)遺伝子検査」とは、民間企業が医療機関を介さずに販売する遺伝子検査のこと。主に健康な一般市民を対象としており、遺伝子解析することで健康維持・増進に役立つものとして販売されている。

市場拡大が続くDTC遺伝子検査だが、現在日本には同検査に対する規制がない。日本医師会では、同検査の多くは医療における遺伝学的検査に比べて発展途上である、としている。また、検査結果へのフォロー体制が不十分な場合は利用者に誤解を与えかねないと警鐘を鳴らしている。

医師にDTC遺伝子検査を知っていたか、またDTC遺伝子検査は健康維持・健康増進に効果があると思うか尋ねたところ、63.8%が「知らなかった」と回答した。また、DTC遺伝子検査の健康維持・健康増進への効果については、72.2%の医師が「効果がない」と答えている。

「効果がない」と回答した医師からは、「結果が出た後の説明、フォローがとても重要。それがなければ弊害の方が多く出る可能性すらある」(40代、小児科)、「結果をどう解釈してどう治療していくかが確立されないと、効果はないと思います」(40代、呼吸器外科)など、結果が出たあとの正しい活用法が確立できていないという意見が多かった。

そのほか、「企業が提示している文献まで確認したことがありますが、エビデンスレベルが低すぎて話にならないと思いました」(40代、産婦人科)、「現時点では占いと変わりません」(40代、その他)など、精度を疑問視する声もあった。

「効果がある」と回答した医師からの意見は、「消費者が日常生活改善に役立てるなら有効」(50代、産婦人科)、「遺伝子学的な環境にあわせたオーダーメイド医療は、無駄がなく治療効果も期待できるため、今後の日本経済にもプラスだと思っている」(50代、小児科)などだった。

また、実際にDTC遺伝子検査を受けた医師からは「自身で、肥満分析コースを試したことがあります。自分の肥満パターンが分かり、食生活に気を付けるようになりました」(40代、精神科)という意見も寄せられている。