自宅の空き部屋などに旅行者を有料で泊める「民泊」。新しい副業として注目を集めているが、騒音や治安面などさまざまな問題点も指摘されている。そこで今回は、マイナビニュース会員の男女306名に「民泊の普及に賛成か否か」質問してみた。

Q.民泊の普及に賛成ですか?

・はい………42.5%
・いいえ……57.5%

Q.副業にもなると話題の民泊ですが、あなたは民泊の普及に賛成ですか?

Q.その理由を教えてください

民泊の普及に「賛成」

■ホテル不足を解消できる
・「増加傾向にある観光客に対応した宿泊施設として機能することができる」(68歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「一時的なオリンピックのために宿泊施設を増やしたら大変なので、最初のうちはトラブルも多いと思うが情報が増えていけば落ち着くのではないかと期待している」(41歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「東京オリンピックまでに訪日外国人を受け入れるホテルが圧倒的に不足していると聞き、効率よく空きスペースを提供できる民泊は有用だと考えたから」(23歳女性/その他/その他・専業主婦等)

■空き家を有効活用できる
・「利用されることにより家が生き返る」(49歳男性/建設・土木/営業関連)
・「空き家対策になるしインバウンドも期待できる」(44歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「日本の人口は減少していくわけだし空き家も増えるので有効活用すればいい、特に都会で必要なので、宿泊施設を新たに建設するリスクを考えると民泊は良いと思う」(48歳男性/その他メーカー/技能工・運輸・設備関連)

■国際交流ができる
・「交流の機会が増える」(29歳男性/精密機器/メカトロ関連技術職)
・「外国からの観光客受け入れで、個々人の国際交流が増えて良いと思う」(39歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「自分きっかけではなかなかできない交流ができる」(44歳男性/繊維・アパレル/事務・企画・経営関連)

■安く旅行することができる
・「安く旅行しようとする人には良い」(70歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「旅行者が安く泊まれるんだったらいいと思う」(34歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「安いと本当に助かる、その分旅行の回数が増える」(40歳女性/その他/その他・専業主婦等)

■その他
・「旅の選択肢が広がって良いと思うので」(47歳男性/輸送用機器/事務・企画・経営関連)
・「このご時世、お金になるなら積極的にならなきゃダメ」(41歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「国内旅行者にも便利だと思うが、特に昨今増えている訪日外国人にとっては、日本の文化や生活に直接密に触れられる機会になるし、双方にとっても異文化理解の助けになるから」(25歳女性/その他/その他・専業主婦等)

民泊の普及に「反対」

■近隣住民が迷惑するから
・「近所の人が民泊を始めたら嫌だと思うから」(24歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「マナーの悪い人が多いから」(20歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「夜中に騒ぐ。仕分けしていないゴミ出しなど生活ルールを守らせる責任者不在で近隣住民が迷惑する」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「見慣れない人や車が家の近所にくるのが嫌、特に場所が分からずに自分の家の周りをうろつかれたり、間違って訪ねて来たりされるのは嫌だ」(41歳男性/官公庁/公共サービス関連)

■治安の悪化が心配
・「犯罪や違法が増えると思う」(47歳男性/旅行・観光/販売・サービス関連)
・「反社会的組織の隠れ家に悪用されるのを予防する有効な手段がないため」(53歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「問題のほうが多すぎる、犯罪にもつながりかねないし観光客の無法化もいなめない」(36歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■トラブルの元だから
・「たぶんトラブルが起こる、誰が責任とるの?」(44歳男性/医療用機器・医療関連/営業関連)
・「トラブルの素、プロに任せるべき」(46歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「オーナーが素人ですし、管理する会社との契約内容が分からないので、ちょっとしたトラブルでも解決しない事を聞いている」(52歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■知らない人を泊めるのは不安
・「知らない人を泊めるのは怖いです」(35歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「他人を泊めるのには抵抗があるし、信用取引だから安易にできない」(46歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「知らない人に部屋を提供するのは不安だから、また、知らない人の家に泊まるのは抵抗がある」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)

■その他
・「モラルを守れない業者がたくさん出てくると思うので」(44歳男性/旅行・観光/販売・サービス関連)
・「他のホテルや旅館への影響が大きいと思う」(21歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「資格も知識もない人の家に泊まる泊まらせるのは無責任だと思う」(51歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「もはやそれならホテルやネットカフェに行けと思います」(29歳男性/放送・新聞/専門サービス関連)

■総評

「民泊の普及に賛成ですか?」と質問したところ、「いいえ」と回答した人が57.5%と過半数に及んだ。反対の理由としては「治安の悪化」に関するものが多く、「犯罪に利用される可能性がある」といった回答が寄せられた。昨年11月に発生したパリ同時多発テロでは、主犯格の男が民泊を利用していた可能性があると言われているが、そうしたテロリストや犯罪者の潜伏先になるのでは……という懸念もあるようだ。

「近所迷惑になる」という指摘も挙がっていた。旅行客が利用した場合、生活習慣やマナーの違いにより騒音やゴミの不法投棄といた問題が起こりがちのよう。家主不在型の民泊では責任者が誰だか分からない場合もあるため、近隣住民は苦労することになるかもしれない。

民泊賛成派(42.5%)からは「ホテル不足を解消できる」というメリットが挙げられた。東京五輪に向け宿泊施設の不足が懸念されているが、民泊がそれを補うものとして期待されている。他にも「いろんな人と出会える」「地域の活性化につながる」「収入になる」といったメリットが挙がっていたが、その一方で「賛成ではあるがトラブルも多そうなのでルール決めが大事だと思う」という意見も寄せられた。

今後拡大が予想される民泊サービスだが、まだまだ課題も多いよう。きちんと法整備され、貸す側も借りる側も安心して利用できるようになることを期待したいものである。

調査時期: 2016年9月2日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女306名
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません