特に1歳以下の子どもはRSウイルス感染症に注意が必要だ

東京都感染症情報センターは10月13日、10月3日~9日の期間中の東京都感染症週報を公開した。同週報により、都内でRSウイルス感染症の患者が徐々に増加しつつあり、過去5年間の平均と比較して高い値で推移していることが明らかになった。

RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。風邪のように発熱や鼻水などの症状が出るが、重度の場合だと肺炎や気管支炎を伴うケースもある。国立感染症研究所によると、生後1歳までに半数以上の子どもがRSウイルスに感染し、同2歳までにはほぼ100%の子どもが初感染するという。

生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。一方で、一般的に成人が感染しても風邪に似たような症状を呈するのみで、重症化には至りにくいとされている。

10月3日~10月9日(第40週)の期間中、都内264の定点医療機関から報告された同感染症の患者数は723人。その内訳を見ると、生後5カ月までが82人、同6~11カ月が161人、1歳が286人と全体の7割以上が2歳未満を占めている。

患者は第37週から576人、511人、665人と増加傾向にあり、東京都感染症情報センターは「RSウイルス感染症の定点当たり報告数は増加を続け、過去5年平均と比較して高い値で推移している」と注意を呼びかけている。

また、毎年冬になるとノロウイルスによる感染者が増えだす感染性腸炎もじわじわと患者が増えている。下痢やおう吐、吐き気などの症状を伴う感染性胃腸炎の第40週の患者数は、直近4週間で最多となる1,170人で、定点医療機関当たりの患者数は4.53人となっている。ノロウイルスは食品や井戸水などを介して感染するケースもあるため、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱するなどの予防策をしっかりと講じる必要がある。

※写真と本文は関係ありません