米Facebook傘下のOculus VRが、単体で動作するスタンドアローン型のVR (仮想現実)ヘッドセットを開発している。米カリフォルニア州サンノゼで開催中の開発者カンファレンス「Oculus Connect 3」(10月5日~7日)の基調講演で、Facebook CEOのMark Zuckerberg氏が明らかにした。

基調講演の前半では、「Oculus Rift」の提供開始に続く「ソフトウエア体験の向上」、そして「VRユーザーの拡大」という2つのテーマで、今後の取り組みをZuckerberg氏が語った。スタンドアローン型のVRヘッドセットは後者のための製品になる。

今日のVRヘッドセットはSamsungの「Gear VR」やGoogleの「Daydream」のようなスマートフォンを使用したモバイルVRヘッドセットと、Oculus RiftやHTCの「Vive」のような高性能PCに接続するヘッドセットの2つに分かれている。前者はスマートフォンだけでどこでも簡単に、そして出費を抑えてVRを体験できるが、VR体験は限定的だ。後者は今日の最高のVR体験を堪能できる一方で、デスクトップPCの場所に縛られ、システム全体のコストが高い。スタンドアローンのVRヘッドセットでOculusは、手頃な価格で、高品質なVR体験を自由に楽しめるシステムを目指す。今日のスマートフォン型と高性能PC型の間にある隔たりを埋めるVRシステムになるという。

モバイルVRヘッドセットとPC接続のVRヘッドセットの間を満たすスタンドアローン型VRヘッドセット

開発は初期段階であり、Zuckerberg氏は「製品はまだ何もないから、あまり騒がないように」と述べていたが、そのコンセプトと開発の立ち上がりを示すビデオを基調講演の中で披露した。