絶対外さない、母国のオススメ料理は?

世界のそれぞれの国には、「これがおいしい! 」と言われる国民的料理が必ずあるもの。近年の日本では、いたるところに多国籍なレストランがあり、「今日は○○の料理を食べよう」と気軽に言えるようになっている。しかし、世界にはまだまだ私たちの知らない料理はたくさんあるはず。そこで今回は、母国で人気な料理を日本在住の外国人20人に聞いてみた。

東ヨーロッパ

・「ウクライナの『ボルシチ』は有名です。赤カブやいろんな野菜が入ったスープです。サワークリームをかけ、ライ麦がたくさん入った黒パンと一緒に食べます」(ウクライナ/30代前半/男性)

・「ルーマニアのおいしい料理のひとつは、『ナスのサラダ』です。焼いたナスの皮をむいて細かく刻み、みじん切りにしたタマネギ・マヨネーズ・塩と一緒にペースト状になるまで混ぜます。パンに塗って食べます」(ルーマニア/30代前半/女性)

・「ハンガリーなら『グヤーシュスープ』でしょうね。スープですが、中身はお肉、お野菜なども入ってて、とても栄養があり温まるスープだし、鍋料理な感じでみんなで集まって楽しく食べられる料理です。あと、デザートとしては『パラチンタ(palacsinta/ハンガリーのクレープ)』もおいしいです」(ハンガリー/30代前半/女性)

・「『寿司』『刺身』。新鮮でシンプルでおいしい。醤油と食べる」(ロシア/20代中半/女性)

西ヨーロッパ

・「『フォアグラ』。しゃれたイメージで、ご飯の最初に食べます。地方にもよりますが、基本的にはパンに乗せて、イチジクのジャムと一緒に食べます」(フランス/30代前半/男性)

南ヨーロッパ

・「スペインは地方で一つひとつ違う伝統料理があり、スペイン料理で一番おいしいのは何かということは一人ひとりの好みによってですね。私の意見では、たくさんの地方料理がおいしいですが、たくさんの人たちが好きでどこでも食べられるのは、多分『tortilla de patatas』です。ポテト入りのオムレツです。食べ方はパンと一緒か、サンドイッチにするか、そのまま食べても大丈夫です」(スペイン/30代前半/女性)

・「母国はイタリアですので、ほとんどがおいしい料理です。食べ方の特徴としては、料理はだいたい4つの段階に分けられて出ます。前菜、第一(パスタ・リゾット・スープ)、第二(肉や魚料理プラス野菜のサイドディッシュ)、デザート(フルーツやアイス)。日本で白ご飯をほぼどんな料理とも一緒に食べるように、イタリアではパンが前菜から第二まで付け合わせられています」(イタリア/30代前半/男性)

南アジア

・「『カレーライス』だと思います。地域や場所、使うお米によっても味が変わるのがいいところです」(インド/40代前半/男性)

東南アジア

・「『adobo(アドボ)』という料理です。豚肉または鶏肉の煮込み料理です。味はちょっと酸っぱくて、簡単に作れる料理です」(フィリピン/40代前半/女性)

・「『フォー』や『ライスヌードル』。多くの場合、鶏や牛からダシをとった、透明であっさりしたスープに米麺を入れ、ゆでた鶏肉や牛の薄切り肉、つみれ、たけのこ、さまざまなハーブ類や生野菜などが典型的な具材としてのる。一部では海鮮のフォーも存在する。最後にライムの絞り汁や、ヌクマム(ベトナムでポピュラーな調味料)、ヌクチャム(唐辛子や刻みニンニクを漬けたヌクマム)、生唐辛子などを加えて、各人が好みの味に仕上げる。牛肉入りフォーの場合は、牛肉のゆで具合(半生をタイ、十分に加熱したものをチンという)をリクエストすることもできる」(ベトナム/20代後半/男性)

・「『サテ』という料理で、鶏肉・ヤギ肉を一口サイズに切って、串焼きにします。ピーナツと甘い醤油からできたソースと一緒に食べます」(インドネシア/40代前半/女性)

・「なんと言っても『トムヤムクン』や『グリーンカレー』でしょう。食べ方は日本とあんまり違いません。ライスと一緒に食べます」(タイ/30代前半/男性)

東アジア

・「『サムギョブサル』。日本のサムギョブサルは豚のバラ肉を薄く切って食べることが多いが、韓国では厚切りで食べる。それがサムギョブサルである。食べ方は豚バラを普通の焼肉みたいに焼いて、サンチュとニンニク、好みによっていろんな野菜、ご飯などを添え、韓国味噌にコチュジャンとニンニク、醤油などを添加したサムジャンというソースをちょっと入れて、それら全部をサンチュで包んで食べる。一口に全部食べるのが正しい食べ方である」(韓国/20代前半/男性)

・「中国の"おいしい料理"を特定するのは難しい。中国は広すぎて、地方によっておいしい料理が変わる。私が答えるのは、自分の地元の料理『江西炒米粉』(江西焼きビーフンで、豚肉、タケノコ、シイタケ、セロリ等が入った、醤油味の焼きそばみたいなもの)」(中国/30代中半/男性)

・「『ホーシュール』という料理で、分かりやすく説明するとしたら、焼き餃子みたいなものです。食べ方は普通に手で持って食べます」(モンゴル/30代前半/男性)

・「台湾を代表するおいしい料理というと、やっぱり『夜市の屋台料理』でしょう。街を散歩しながら食べるのが一番魅力なところである」(台湾/20代後半/女性)

・「香港を代表するおいしい料理といえば『飲茶(ヤムチャ)』です。香港で行われている習慣で、中国茶を飲みながら点心を食べることであります」(香港/20代後半/女性)

北米

・「アメリカ全体だと『ベーコン』です。ベーコンはなんでも合うし、アメリカのベーコンは、日本で普通に買えるベーコンとレベルが違います。また、アリゾナ州はもともとメキシコだったので、メキシコ料理が本格的でおいしいです。日本人にあまり知られていない『tamales(タマレス)』がオススメです。スパイスで煮た豚肉をトウモロコシから作られたペーストに包んで蒸す料理です。冬に食べるものです」(アメリカ/30代前半/女性)

南米

・「『シュハスコ』(鉄串に肉を刺して炭火で焼く料理)と『フェジョアーダ』(豆と肉を煮込んだ料理)」(ブラジル/20代後半/男性)

・「『アサード』。牛肉のブロックを塩とカーニャ(パラグアイの焼酎)だけで味付けし、炭火で焼き上げる料理。日曜日の午後は必ず家族そろって焼きながら食べる」(パラグアイ/30代前半/女性)

総評

今回は20カ国の回答者が思う、自国の「これがおいしい! 」という料理を紹介した。ベトナムのフォーや、韓国のサムギョブサルなどのように、日本でもすでに知名度が高い料理も登場した。しかし、日本料理を外国で食べると「何これ」と感じることがあるのと同じように、私たちが知っていると思っている料理であっても、現地の人の食べ方は想像と少し違う場合もあっただろう。世界の料理というのは、なかなかに奥が深いようだ。

また、料理の食べ方の特徴として「みんなで集まって楽しく食べられる料理」(ハンガリー/30代前半/女性)や、「日曜日に家族そろって食べる」(パラグアイ/30代前半/女性)という回答があった。食は、おなかを満たすだけでなく、楽しい時間を共有して心を満たすものでもあるのは、遠く離れた国であっても同じらしい。ちょっとほっこりする話ではないだろうか。

調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート

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