本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、9月26日~9月30日付けのリリースからお届けしたい。 宇宙・物理系 首都大など、孤立分子の「再帰蛍光」を初めて観測 理研、イオン用超伝導加速空洞の高加速電圧試験に成功 理研、低速多価イオンビームの太さを髪の毛の1/100に 阪大と東工大、スピン流を用いた近藤効果の直接検出・制御に成功 慶大と横国大、分子の衝突過程に核スピン依存性を発見 東北大など、新たなスピン流の担い手を発見 茨城大、"レーザーで磁石をひねる"超高速スピントロニクスの新機構 バイオ・生命科学系 東大、小さなRNAが生殖細胞を守るメカニズムの一端を解明 東大、原始的な中央代謝系で働く酸化還元酵素の立体構造を明らかに 東大、酵母による異宿主タンパク質発現系における新規ランダム変異導入法の開発 東大、細胞内「ロジックボード」分子の発見 東大など、放線菌におけるアミノ基キャリアタンパク質を介した二次代謝経路の発見 理研、他人を記憶するための海馬の仕組み 理研、新規セスキテルペン生合成遺伝子の発見 名大、非破壊・迅速・低コストにiPS細胞の状態を評価できる品質管理技術 横市大、微量糖タンパク質解析ツールを開発 OIST、サンゴの卵を用いた遺伝子操作実験に成功 東工大、ラン藻の遺伝子発現を高効率に誘導するシステムを開発 医療系 東京農工大と首都大、悪性脳腫瘍や遺伝性貧血の発症メカニズムを解明 東大、反復配列RNAの異常発現が膵癌発生を促進するメカニズムを解明 東大、細胞内の輸送の乱れがアルツハイマー病を引き起こす 感染症研、マウスノロウイルスのタンパク質感染受容体を発見 東農大、PTSD治療のための簡便なトラウマ記憶の忘却方法を開発 長崎大、異常型プリオンタンパクが内臓などにも分布することを発見 順天堂大、多発性硬化症の発症にはヨーネ菌が関与する可能性 AMED、新種のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を発見 その他 慶大、コーヒー飲料の飲用前後における感性のリアルタイム変化を可視化 慶大、人間動作を記録・編集・再現可能な汎用ロボットアーム(GP-Arm)を開発 東大など、海底火山活動を迅速に見つけて化学的に観測 明大、人類の本性について暴力・平和どちらでもない第三のモデルを解明 気象研、地球温暖化で豪雪の頻度が高まる可能性があることを確認 量研機構など、イーターの建設サイトから日本への大量データの高速転送を実証 森林総研、日本国内で採取された2種のトリュフを新種と確認 JAMSTEC、大陸は海から誕生したとする新説を提唱 水産研究・教育機構、スジアラの完全養殖に成功 北大、アイナメ属半クローン雑種の起源を解明 JAIST、フッ化物イオンセンシング材料 ポリボロシロキサンの創出に成功 NIIと筑波大、複数話者の音声を同時認識する新しい音響信号処理技術を開発 JAEA、公衆の宇宙線被ばく線量を国や地域ごとに評価 首都大学東京などは、宇宙空間のような真空中に孤立した分子に起きる「再帰蛍光」という発光現象を観測したと発表した。写真は、実験に用いられた静電型イオン蓄積リング(TMU E-ring)