ソリッドワークス・ジャパン(ソリッドワークス)は9月29日、「SOLIDWORKS 2017」の国内販売を11月1日より開始すると発表した。今回も数多くのアップデートが図られているが、本稿ではその中から主だった機能強化をご紹介する。

新機能でまず注目なのは「3D Interconnect」だろう。これは、他社CADのネイティブデータを変換作業なしでSOLIDWORKS内で開く機能。例えばオートデスク社のInventorで作ったデータをSOLIDWORKSにインポートし、編集することが可能となる。設計変更時にパーツファイルやアセンブリファイルも連動して更新されるため、パートナー企業がSOLIDWORKS以外の3D CADを使っている場合に、データ変換の煩わしさを解消する。同機能は既存のSOLIDWORKSをバージョンアップすれば使用することが可能なため、追加コストがかからない点もメリットだ。

3D Interconnectが対応している他社CAD (提供:ソリッドワークス)

本文では触れなかったがeDrawingsも強化された (提供:ソリッドワークス)

同社によれば、SOLIDWORKS 2017 Beta1の時点で計254件の機能強化が実施されたが、その中で最も多くを占めたのが2D図面の機能強化だったとのこと。具体例を挙げると、輪郭を見やすい断面図を表示できるようになったほか、図面ビューのミラーリング機能などが追加された。また、電気図面向けに回路図エディタなどを含むプリント基板設計ツール「SOLIDWORKS PCB」が2017年春に公開される予定だ。

254件の機能強化の内、詳細設定と図面に関するものが35件に達した (提供:ソリッドワークス)

電気図面向け設計ツールも公開予定 (提供:ソリッドワークス)

シミュレーション機能も強化されており、反復法解析の速度が平均で20%向上。さらに、解析計算で処理が重くなる場合に、社内ネットワークにある他のマシンを力を借りて計算処理をすることで、自PCの負荷を軽減するオフロード機能が実装されている。

解析速度でも開発効率の向上に貢献する (提供:ソリッドワークス)

ノートPCでSOLIDWORKSを運用する場合に嬉しいオフロード機能 (提供:ソリッドワークス)

もう1点見逃せないのが解析結果の表示方法の変更。あるモデルを解析しても、それがどの部品を解析したものなのかすぐに理解できないと開発効率が低下してしまう。SOLIDWORKS 2017では、SOLIDWORKSグラフィック領域でシミュレーション結果を表示させられるため、より直感的にどの部品を解析したのか理解し、検討に進むことができるとする。

これまでの表示方法(左)と比べると、どの部品を解析したのか一目瞭然 (提供:ソリッドワークス)

また、レンダリングツール「SOLIDWORKS Visualize Professional 2017」では、SOLIDWORKSで設定したアニメーションをSOLIDWORKS Visualizeに反映できるようになった。

SOLIDWORKS Visualizeはマーケティングなど設計・開発以外の領域で役立つ (提供:ソリッドワークス)