IT専門調査会社であるIDC Japanは、2015年の国内ITサービス市場に関する動向を発表した。

2015年の国内ITサービス市場は5兆3,849億円で前年度比の成長率3.0%、ベンダー別の売上上位5社は、1位から順に富士通、NEC、日立製作所、NTTデータ、IBM。

上位ベンダーの競合状況に大きな変化はないが、SIやITコンサルティングを中心とするプロジェクトベース市場では、IBMがアプリケーション開発や運用を行うGBS(Global Business Services)事業の好調により二桁成長を遂げているほか、前年比売上成長率が最も高いITベンダーとして、売上額が1,000億円を超えたアクセンチュアを挙げている。アクセンチュアは、すべてのサービスセグメント、産業分野で二桁のプラス成長を遂げており、ITサービス事業が全社的に拡大していると分析している。

2013年から2015年の国内ITサービス市場(同社資料より)

IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの木村 聡宏氏は、「クラウドを中心とした第3のプラットフォームの台頭は、国内ITサービス市場の構造を変えつつある。ITサービスベンダーは変化する市場で新たな機会を捉えるため、スピード感を持って、自らの事業構造の転換を進めるべきである」と、クラウドによる構造変化が市場に表れ始めていることを指摘している。

なお詳細な分析結果は、IDC Japanの「国内ITサービス市場シェア、2015年:金融が大手ITサービスベンダーの成長を牽引」で報告されている。